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  • 就労アセスメント・ステップアップとは②

    就労アセスメントは過去と現在についてまとめたものです。その情報を元に将来の希望についても活用できるようにできればと思っています。 将来のことを考える中で、計画や道筋が無く良い将来だけを望んでいても、実現は難しいかもしれません。何かラッキーなことがたまたま起こることを期待するよりも、一歩でも「思い描く良い将来」に向けたステップを踏み出すことの方が実現に近くなるのだと思います。 そして、その「ステップ」は本当に小さなものでも大丈夫なのです・・・ たとえば就労に関するアセスメントでは、上司や同僚の話している間に、一瞬でも話している人の方に視線を向けたり、顔をあげる、という小さな動作にも着目しますが、その小さな動作であっても、やるとやらないでは、相手の持つ印象ががらっと変わります。そして、その結果、相手から出てくる情報が大きく広がるかもしれないのです。 また、相手の上司や同僚の方が良い印象を持ってくれることで、仕事がしやすくなるかもしれません。もちろんその他の要素や、個人によって結果が異なりますが、この例では「相手に顔を向ける」という小さな動作が、今からでも試せる「小さなステップ」になる可能性があることになります。 アセスメントを受けて下さる方に限らず、その違いについて、あまり考えたことはない人もいらっしゃると思います。 知ったからといって、「やってみよう」という意欲がわくかは人それぞれです。でも何をしたら良いか、どうせだめだ、と思うよりも、具体的にそのような小さな「ステップ」が生きてくるということだけでも知っておいても良いのかもしれません。 そしてその「ステップ」が「ステップアップ」につながるのですが、どのように「ステップ」を「ステップアップ」につなげるのかが大事になります。 未来のことはわからないですし、特に自分が社会で働くために持っている力がどのように変わってゆくのか・・は本当にわからないものです。 そもそも働く力がどのくらいあるのかは、自分だけで判断はできません。なぜなら「働く」とは誰かの要請を受けて、その人や、その他のもっと多くの人々に自分が労働を提供することだからです。 自分だけで「できた」とは判断できないのです。 そうであっても、就労移行支援事業所ユースターから実習や就職をして働く方を拝見していると、誰でも「自分がどの程度、何をすれば求められる働き方ができたか・・」が知らず知らずにわかってくるように感じます。 つまり「働く」とは何か?・・・・は働きながらわかってくることの一つなのかもしれません。 ユースターから就職をした方も、どんなに小さな「ステップ」であっても、それを積み上げ続ける人が最終的には就労を継続でき、就労生活を続けています。 ではその「ステップ」とは何か、前に例を挙げさせていただきましたが、日常の生活にもたくさんあると思います。 そして、たくさんあるその要素を意識することで身に着くこともあります。逆に意識ができないと身になりにくいのです。意識を向けることで、自分ができるようになった・・身についた、という自信につながりやすくなります。 (=つづく) 現在のことをどう未来につなげるか・1つのステップを大事にしたいです

  • 就労アセスメント・ステップアップとは①

    当社の就労支援の活動の一環として、就労に関わるアセスメント(「就労アセスメント」)をご提供しています。 就労に関わるアセスメントとは、働く力や将来働くとしたらどのような働き方(*)が本人にとって良いのか・・など、現在の本人の状態を元に、本人の働く力をまとめるものです。 ユースターのアセスメントでは、その基点から、本人が潜在的に持つ力や動機を、より芽生えさせるために(つまり可能性を伸ばすために)必要な支援や環境、そしてそれを実現するための、本人に合った福祉サービスも含めてご提案しています。 (*ここで言う「働き方」とは、働く本人だけではなく、働く場所、労働条件、職場環境、同僚上司お客様など関わる「人」、周囲の理解、将来のキャリアアップなど種々のものを総称しています) 『就労移行支援事業所ユースター』では、施設を利用される方へ、複数の種類の就労に関わるアセスメントを行っております。 加えて、『就労選択支援事業所ユースター』では、就労移行支援事業所ユースターを利用されていない外部の方へも同様のアセスメントをご提供しています。 今日は、その外部の方へアセスメントの際によく出てくるキーワード「ステップアップ」という言葉について書かせていただきます。 前述のとおり、就労アセスメントでは、現在の本人が働く上で持つ力に焦点を当てます。しかし、更に焦点を当てるのは、その方の「将来」です。 そこでキーワードとなるのが、将来に向けた「ステップアップ」なのです。 そもそも、アセスメントは、本人の現在の様子をまとめるのですが、いわば、生まれてから今日まで育ててきた「過去から今日まで」の結果ということになります。 過去はもとより、今現在の状態は誰でも受け入れるしかないと思いますし、むしろ受け入れることに集中してゆく方が良いのだと思います。 しかし、未来については、これから自分でコントロール(左右)できる部分があるのです。これからつくるものだからーー可能性や希望がたくさんありますし、誰も決められるものではないです。 希望が一杯の自分の未来について、どんなに専門性の高いアセスメントでも、何かを断定できるはずはありません。 しかし、わからない未来であっても、自分のがんばりやサポート、環境などで、自分の思う将来の形に近づけることはできます。 では、どのようにしたら自分の思う将来の形に近づけられるか、あくまで一つのアイデアになるのかもしれませんが、アセスメントがお手伝いできるかもしれないことを次のブログで書かせていただきます。 (=つづく) 将来なりたい自分に向けて、アセスメントもお手伝いができるかもしれません

  • 多方向から見ないとわからない③

    自分の視点だけで行う行動や支援と、相手の想いや視点を考える支援がどう違うのか?について、3回に分けて書かせていただきました。今日はその最終回として、当社が行っています行動援護の支援について、自分視点だけで支援を行うとはどのようなことか、について自分たちの支援を検証するつもりで書かせていただきます。 当社は「行動援護事業所ユータイム」という施設で行動援護のサービスを行っています。ご存知のとおり、行動援護は、障がい等で外出や行動をする際に支援を必要としたり、支援を希望する方を対象とした福祉サービスです。 行動援護の場合は、支援スタッフが自分の視点だけで支援をすると、ご想像の通り、利用される相手の方が期待した、そこにあったはずの喜びを感じにくくなってしまいます。2点のテーマについて掘り下げます。 (※(1)~(4)は前のブログ回をご覧ください) (5)自分の時間を過ごす ⇒自分の時間は誰にも決めて欲しくない、自由な企画で自分らしい楽しみ方をしたいものです。ひょっとして「どこかに行くこと」は二番目の目的であって「どんな時間を過ごしたいか?」が先にあるのかもしれません。 つまり、「楽しむ」という時間を一緒につくるためには、「行き先」を組み立てるだけではなく、相手の方がその時間をどのように感じ、どんな気持ちで過ごしたいのか、そこに心を寄せて想像できると、真に満たされた喜びになると思うのです。 ここでも、相手の心や視点に想いを馳せることが意義を持つのです。 (6)リラックスや刺激などその間に得たい体験や感情を獲得する ⇒五感に届く(行動援護の)サービスは何かを考えることがあります。つまり、見たり、聞いたり、香りを感じたり、味わうこと、そして肌で感じることなど、五感を使って楽しむ時間を作る支援ができれば素敵だなあ、と思います。 とは言っても、無理やり五感に刺激を与える活動を企画すると、それは支援スタッフ側の思い込みによるサービスの押しつけになりますので、先の「どんな気持ちで過ごしたいのか」という相手の心や視点を想うことで「行って」「見て」「食べて」という「行動や活動」自体で達成を判断するのではなく、心や身体で感じたり、リラックスした感覚やその場の空気を感じることができたか、その時間が生きる糧、明日の希望につながるものになったのか、などが想像できる支援であると良いと思います。 当ブログは3回に渡って、以下のポイントを挙げて書かせていただきました。 自分の視点だけで支援すると何が良くないのか、相手の方の視点に寄り添うとはどういうことかを振り返ってみました。 相手の心に寄り添う支援は簡単ではありませんし、常に自分自身を振り返り、高めてゆかないと達成できないとつくづく感じます。 まずは支援する側も、心に余裕を持って相手の方の気持ちを受け入れ、察したり想像を働かせ、心を寄せることが何より基本になるのだと思います。 ■『就労支援の場合』 (1)(自分の)働く力の現在を知るー前のブログ (2)働く力を身につける・伸ばすー前のブログ (3)就職先を探す (4)就職して働く ■「行動援護」の場合 (5)自分の時間を過ごす (6)リラックスや刺激など得たい体験や感情を獲得する 今後とも、ユースターやユータイムの目指す、利用する方のための支援を追求して参りたいと思います。 支援スタッフも色々な角度や視点から見る余裕を持つべきです

  • 多方向から見ないとわからない②

    自分だけの視点で判断・行動してしまうと、せっかくの目的が達成できないだけか、相手の方にご迷惑をかけてしまうことにもなります。 忘れがちな「どのようなことでも、相手の視点に立って考える・・」ということについて、支援に絡めて考えています。 支援を提供している就労移行支援事業所ユースターや行動援護事業所ユータイムの支援の質は、サービスを受けていただく方々、ご協力をして下さる相手の方の視点が生かされているかで成り立ちます。 当ブログは3回に渡って、以下の項目で、自分の視点だけで支援すると何が良くないのか、相手の方の視点に寄り添うとはどういうことか、を振り返ってみました。 ■『就労支援の場合』 (1)(自分の)働く力の現在を知るー前のブログ (2)働く力を身につける・伸ばすー前のブログ (3)就職先を探す (4)就職して働く ■「行動援護」の場合 (5)自分の時間を過ごす (6)リラックスや刺激など得たい体験や感情を獲得する 今日は、(3)就職先を探す・・から続けます。 (3)就職先を探す ⇒就職先を探すのは単に選ぶという行為ではない点は度々述べさせていただきました。 ある企業を求人票から選んだ場合、支援を提供している相手の方が納得して、その就職先を選び、受け入れていると思い込みがちです。 しかし、本人の視点に立てば、自分のこととはいえ、選んだ責任が自分にのしかかり、責任を負う辛さと迷い、自信のなさに押しつぶされた気持ちなっているかもしれないのです。 「あなたが選んだ場所だから・・」と誰からも言われてしまう立場は辛いものだと思います。 なぜなら自分の就職活動を思い出しても、半信半疑な部分は必ずあって、そこをいわゆる一か八かで突破したものです。 運を天に任せる気持ちであったり、迷いを抱えたまま挑戦するのが就職先の選択なのだと思います。 むしろ相手の方の視点や気持ちを尊重するのであれば、以下のような視点が支援としては大事なのではないかと思うのです。✕はダメとか誤り、ということではなく、あくまで相手の気持ちに立っているかを確認しながら伝えるべき言葉だということになります。 〔✕〕自分で選んだ就職先なのだから、とにかく誰か別の人のせいにせず、頑張りましょう 〔〇〕確信がなく、自信が無いのは誰でも同じ、だって、始めて体験することだし、自分にどこまで何ができるかわからないわけですから。結果については絶対と思わず、やってみませんか。 良かれと思って励ます場合や、相手の想いを十分に受け止めながらあえて、厳しめの言葉になる場合もあります。場面や条件、相手の方の状況など総合的に見て言動を自分で判断できることが支援スタッフの行うべきことかと思います。 (4)就職して働く ⇒無事就職が叶い、順調に毎日を送ることができている。素晴らしいですが、本人の中ではストレスや葛藤「これで良かったのかー」など思い描いていた就労生活とは違う現実があるかもしれません。 必ずしも就職先した場所で働き続けることだけが了なのではなく、働くことに前向きになり、自分らしい充実感もあり、毎日に小さな満足が積み重なってゆけることが大成功なのだと思います。 それゆえ、支援スタッフとしては、就職後も、たとえ退職の意向が出てきても、退職や転職に過敏にならず、穏やかに受けとめて次につながる支援を一緒に考えてゆくことが働き続けることにつながるのではないか、と思います。 その時に、退職したらユースターに戻りづらくなるとか、戻ってはいけないのか、という想いを抱かせてしまっては就労を支えることにならないのだと思います。 このように、自分視点だけではなく、相手の視点や想いも常に見て、多方面から見ないとわからないことが、支援にもたくさんあることを常に知ってゆきたいです。 次のブログでは、行動援護の場合を考えみたいと思います。 (=つづく) 相手の気持ちに立つ支援で働く意義も違ってくるのかもしれません

  • 多方向から見ないとわからない①

    つい忘れがちなのは、どのようなことでも、相手の視点に立って考える・・ということかもしれません。 最近ユースターの利用者、ご家族、関係企業、その他のステークホルダーの方々と関わらせていただくなかで思います。 特に支援を提供している事業所として、わたしたち就労移行支援事業所ユースターや行動援護事業所ユータイムは、サービスを受けていただく方々、ご協力をして下さる相手の方の視点が大事なのです。 しかし反省として、相手の視点をとても意識をしているつもりでも、最後は自分の立場から決めていることがあるかもしれません。 福祉サービス事業は相手の方があってこそ成立しますし、その方の目指す方向に向かって一緒に歩むサービスです。支援をする側だけの視点では成り立ちません。 細かく分類して、具体的に、相手の方の視点になれているかを振り返りながら何が大事かと見てみました。よろしければご一緒に確認いただければ幸いです。 『就労支援の場合・・』 (1)(自分の)働く力の現在を知る ⇒支援スタッフが見る(アセスメント)その方の力と、本人が自分で認識している力でいうと、ついスタッフの言うことの方を正しいと捉えてしまう妄想です。 これは支援スタッフを何かを支援する人、プロの人、というイメージが先行して、支援スタッフは正しいことを言っている人・・となってしまうのではないでしょうか。 支援スタッフはもちろん全力で本人の働く力について観察してお伝えしているつもりなのですが、決して正しいと思われることを「押し付けている」わけではないですし、そうあってはならないのです。そうではなく、経験を通して共有しているということになるのです。 最終的には、その方は自分ができることを、自分で決めて取り組むので大丈夫なので、絶対ではないとも言えます。 そのように(支援スタッフは絶対)見られていることに気づけない支援スタッフは、相手を置いてどんどん先に進みがちです。自分だけで結論を目指してしまうことになります。 自分の働く力を知る目的はどこにあるかというと、その方自身が「自分はどのような力を「持っていて、どこに支援が必要か」を知ることにありますので、伝える側が一方的にあるべき論を唱えても、気づきを生むことは少なくなるのです。そして支援スタッフの思いが、相手の方の中で十分に腑に落ちていないのに、話を終わらせてしまうことになってしまうのです。 (2)働く力を身につける・伸ばす ⇒働く力は、その幅や深さがさまざまで、多岐に渡ります。自立の力と言われることもありますし、基礎的なアカデミックスキルや認知能力であったり、理解力、指示内容を正確に遂行する力、周囲を見る力などにもわたります。 それ故に、相手のペースや理解を見ずに伝えると、それは付け焼刃の知識となり、一時的に身につけたスキルで、本質的には自分の自信につながる知識や技術ではないものにとどまります。 一例ですが、就活の際に、採用面接の受け方の練習をしますが、その日その場でのみ対応できようにするのであれば、問答集の暗記で良いかもしれません。 しかし面接で「伝えたい自分のこと」を熟考してまとめる段階から取り組むと、面接に限らず、今後の人生でも、何かと活用できますし、何より今まで生きてきた自分を振り返り、肯定することもできるのです、まさに支援が入る場所です。 この他に以下の項目について、相手の方の視点に立つべきことを、次のブログに続けて参ります。 (3)就職先を探す (4)就職して働く 「行動援護」の場合 (5)自分の時間を過ごす (6)リラックスや刺激などその間に得たい体験や感情を獲得する (=つづく) 相手の方を遠くにいる人としてピントをぼかしてしまうことのないように

  • ニーズとウォンツの狭間で②

    ユースターやユータイムはニーズとウォンツのどちらに関わるのかを考えるとき、両者の意味の違いを知るとともに、支援に関わるときに、なぜ両方が必要なのかも知っておきたいです。 ユースターやユータイムは、それぞれの目的や機能は違いますが、どちらも決してニーズやウォンツをないがしろにしてはならないサービスです。 すこしややこしい説明になり恐縮ですが・・・ ●例えば、ウォンツが、ニーズである欲求を満たすための具体的な手段であるとした場合 ⇒就労移行支援事業所ユースターを経て社会で働く方にとってのユースターの存在は、ウォンツを満たすもので、ニーズはもっと根本的な欲求である「社会で生きること」になるのだろうと思います。ユータイムも同じです。 仮に、ユースターやユータイムが、利用される方からのニーズを受けてサービスをさせていただくのであれば、その方が根本的に持つ希望や欲求を満たす直接的な支援として関わる必要があり、ウォンツであれば、その方のニーズを「尊重」しながら、手段を提供する支援を提供することになります。 話しの視点を変え、ニーズとウォンツについて、別の定義の仕方をしている文献もありますので触れたいと思います。 それは、異なるジャンルである「経済分野」でのニーズとウォンツです。 経済分野でのニーズとウォンツについて、簡単に申しますと、ニーズは人々が生きるために必要なモノ、機能(サービス)である一方、ウォンツは欲しいという思いや欲望となります。 例として、ニーズは水や食料、空気、安全が確保される環境(戦争状態でない)等である一方、ウォンツは車、携帯電話、時計など。これらに「ブランド」「高級」という言葉をつけると更にそれは究極のウォンツとなります。 このどちらを扱うのかによって、経済活動も変わるというものです。 ただし、例えば「携帯電話=ウォンツ」と決めてしまうのも今の時代には合わないと言う論議もあります。 そこで、具体的なモノの定義ではなく「そのものが無いことによって、例えば命が脅かされる可能性があるものがニーズ」と言われる場合もあります。 なぜ経済活動について触れたかと申しますと、例えばユースターで提供させていただいている、将来の一人暮らしに伴う金銭管理のプログラムや、ユータイムが活動中に行う買い物などの場面で「自分のお給料やお金を、何に優先的に使うのか」といった、金銭管理の目的を理解や納得をしていただくためにも支援の参考としているからです。 金銭管理は、単にお金の計算と節約ということだけではなく、自分にとってのより大きな価値は何か、それを得るために使用するものがお金であることを自分なりに体験していただくきっかけために行うものだからです。 本人の持つ希望や欲求と理想のギャップを埋めるニーズ、そしてウォンツ。両者と支援の位置を良く理解して支援に当たりたいです。 金銭管理は、節約や計算ができることだけではないのです

  • ニーズとウォンツの狭間で①

    福祉の支援では、「ニーズ」という言葉が良く使われます。 ニーズとは、本人が「必要」や「欲しい」「自分が得たい」モノやサービスなどで、なんらかの問題や困りごとを解決したり、状況を改善するために必要とされるもののことです。 不満足な状態だ、ということを、自分や周りの方が認識したり、「何となく」そう感じるとき、満たしたいと感じる欲望、必要とする要求、または問題を解決したいという願望などがあるとき、そこにニーズが現れてくるのだと思います。 上に書きました「何となく」という感情の段階だけでも、そこにニーズが生まれているのです。 つまり「どうしたいのか」ということが必ずしも明確でなくとも、また突き詰められていなくても「何となく〇〇であった方が良い」程度でもニーズになるのではないでしょうか。 支援者は、つい本人に何がしたいのか、どうありたいのかを問うてしまいがちです。でも何となくこうありたい、という感情が本人や身近な方が抱く時のニーズにも心を寄せる必要があるのだと思います。 周囲の方のニーズもあります。 本人がニーズの自覚がなく、特に希望もなくても、身近な方から見て「〇〇であれば良い」とか「〇〇であるべき」と感じる場合にもニーズがあると言えるのです。 特に人生の中での経験が浅い場合には、十分な選択肢を知らない場合もありますし、想像もできないかもしれません。そういった状況の中では、往々にして「現状で良いのではないか」と現状を問題ごと受入れてしまっている場合もあります。 例えば学生の方で家族と生活している方が、このままでも自分は生活できているのだから、働かなくても、おそらくずっと経済的にも生活的にも家族に頼って楽に過ごせるはず。と思っている場合、ニーズは本人よりも家族の方が重要なのかもしれません。 何にも束縛されず、自由に生きて、なおかつ生活が成り立つ、というのはとても楽な生活のように見えますが、そこには多くのニーズが隠れているのだと思います。 ニーズは、課題があったり、自分自身が不満足な状態(必ずしも不満足でない場合も)と、理想の間にある『隔たり』そのものです。 不満足な状態と理想・・・その両方がはっきりしていればいるほど、ニーズも明確になるはずです。 一方、そのニーズをどうにか解決する道具が「ウォンツ」(Wants)という解釈があります。ニーズを解決する手段として欲するものがウォンツということです。 弊社が運営する施設、就労移行支援事業所ユースターや行動援護事業所ユータイムは、障がいやその他の理由でサポートを受けて自分の生活や欲求を満たす方のために存在します。 ユースターやユータイムはニーズとウォンツのどちらに関わるのか、を考えるときがあります。 つまり、ニーズであれば、本人や周りに関わる方が持つ課題の認識、希望や欲求に関わるものですし、ウォンツであれば、その希望や欲求を満たすためにあるものです。 どちらでも良いと言う方もいらっしゃるとは思いますが、サービスを提供させていただく私たちは、自分たちの位置づけやミッションをしっかりと受けとめ、理解してサービスをさせていただかないと、本人の持つ希望や欲求と理想のギャップを埋めることができないのも事実です。 (=つづく) しっかりと意味と目的に違いがある両者です。施設として理解をしなければならないものです

  • 「足る」はどこにあるか?

    「足るを知る」という言葉があります。 現状の量や質で満足を感じ取れ、それが継続されるようになることは、本当に大変なことだと思います。 なぜなら、新しいものやこと(情報、商品、サービス等)が次々と生活の中で身の周りに入ってくる中で、やはり「もっと」という欲求も出てきてしまいがちです。 また、生活のレベルも、時代に合わせた新しいものを取り入れているだけで、いつの間にか贅沢を贅沢と気づかず、必要のない贅沢まで手に入れようと頑張ってしまい、ストレスを抱えることもあるように感じます。 生活や物品を時代に合わせるということは、つまり、まだ使えるものでも、あとから来たものを優先して破棄し、新しい物へと変えることにもつながります。 もちろん新しいものへ変えてゆくことは肯定して、大事なこととして受けとめるべきではあります。しかし、どこからが贅沢なのか、を独りよがりの見方で決めてしまうのも良くないのだと思います。 ひょっとして、支援も同じなのかもしれない、と考えてしまいます。 それは、新しい技術や未発見であったもの、突飛なノウハウや技術が、一般的でスタンダード(標準)な支援よりも優れているかの如くに扱われることがあります。 支援の種類の新しい古いはありませんし、優劣もありません。 あるのは、その支援を提供する方の望む目的にかなうものか?、その方に合っているか?・・だけなのです。 様々なタイプの方が就労移行支援事業所ユースターを利用くださっています。 その方々が将来就職をして、社会で働くために望む支援をしっかりと提供するという原点はユースターが守らなければならないことです。 ユースターの支援は多種のプログラムを、ユースターを利用される方の目標に合わせて提供させていただいています。 新しいものから、ずっと使い続けているものまであります。 本人に合った支援でも古いものだからと軽視せず、望まれるものかどうかで判断をする、という当たり前を大切にしてゆきたいです。 ユースターに必要な支援とは、利用する方が求めるものです

  • 大切なものは目に見えない

    働くことで社会と接したい、とおっしゃった方がいます。。。 ユースターは、昨年から就労移行支援に加えて、就労選択支援を行っておりますが、その就労選択支援では、支援を受けられる方の将来のことや進路についてお話しをする場面が多くあります。 その際、まだ見えない自分の将来を想像したり、イメージを持つことが苦手な方が多くいらっしゃることがわかります。 目から入る情報は本当にわかりやすく、誰もが疑わずに受け入れ、共有もできます。 しかし見えないものは、どんなに説明を尽くしても、頭の中には入りにくいものだとつくづく感じます。 もちろん、それは、支援を受ける対象の方に限ったことではないです。 誰でも見えないものには懐疑的になり、不安や恐怖などを感じて、受け入れることが難しかったりします。 しかし、見えないものにはさまざまな感情を持つこともできるとも捉えて、ネガティブな感情だけではなく、見えないからワクワクする、という場合もあるのです。 就労選択支援のテーマとなる「将来の自分」も、本来でしたら「希望」「自由」「成功」「出会い」・・など自分の前に広がるであろうワクワクするものを見つめていただきたいのですが、どうしても「不安」「不気味」「危険」などの感情が勝ってしまうようなのです。 そもそも、目に見えないものと一言で言っても、とても多くのジャンルや種類があるのだと思います。 例えば、心の中に持つ「見えないもの」・・例えば「価値観」「愛情」「気持ち」などではないでしょうか。 そして、どちらかと言うと頭の中に持つ「見えないもの」・・例えば「正義」「善悪」「意味」など。 「本当に大切なものは目に見えない」とも言われますが、その「大切なもの」を扱う就労選択支援ですから、その重みを受けとめて大切に支援をさせていただきたいと思っています。 就労選択支援の中で、ある方と目に見えない進路について話していた際、なぜ働くのか?という問いに対して「社会と接したいから」と答えた方がいらっしゃいました。多くの方が「収入」「そう言われたから」「学校の次は就職」などの返答が多い中、思いがけない返答で、驚いたことを覚えています。 その方がおっしゃるには、将来のことはわからないけれど、社会の中で働いているという実感をしたい。社会人になりたい。ということでした。 考えることで、見えないものも実感として獲得できるのかもしれない、と思いました。 本当に大切なものは目に見えないのです

  • 昨日は過去、でも大切

    今という時間は一瞬で過去になるので、今の一瞬一瞬が大切・・と説く言葉は多くあります。 確かに今を大切にできる方はしっかりと生きて、自分も大事にできていると思います。 しかし往々にして、昨日は過去ということで、既に終わったこと、と片付けてしまいがちです。 しかし、特に就労移行支援事業所ユースターの中で、働くことを目指すために、ユースターを利用される方と一緒に就職の準備をしているとき、過去というものがどれだけ大事なのかを感じることがあります。 それは『過去とは、自分の中の”経験”』だからです。 社会で働くことに向けた準備というのは大雑把な表現ですが、具体的には「経験を多く積む」ということになります。 色々な経験を積み重ねることで、自分の力にも自信にもなるからです。 そのために、ユースターのトレーニングで使用するプログラムもさまざまなものを用意させていただいています。 本人の適性や特性に合致しているものから、時には合わないものまで経験をしていただいています。 ユースターで、さまざまなトレーニングプログラムを”経験”していただく目的はいくつかあります。 まずは ・本人の職業適性や働く意識の一端を拝見するためのアセスメント(適性を見る)のため ・そして本人が自分で得意と不得意に気づくため ・さらに、能力の範囲を広げるため ・働く具体的な体験をするため ・興味や関心を見つけるため ・・・ など多くの目的のために行っています。 そのプログラムを遂行していただく中で大事となることは、活動の中で経験する失敗や成功の体験、成果への意識、自己肯定の意識なのだと思います。 経験が解決する事柄は人生の中で大変多くありますし、就労のための準備支援でも同様です。 苦手だから取り組まないと、結局やらずに自分にはできない、という評価で終わります。 確かに、絶対に不適合な職種や業種を無理に経験する必要はありませんし、するべきでもありません。 しかし、何となく苦手だと決めてしまっていることやイメージを持っていることを、排除せず試すことで、違った自分の一面に気づくこともあります。 その証拠に、ユースターで、苦手といいながら、とても集中して、熱心に取り組んでいる場面に多く出会います。没頭して完成度も高くやり遂げていて、自分が苦手であるという意識はどこかに消えているように見えるときもあります。 それでも、あとで感想をうかがうと「苦手でした・・」とおっしゃいます。能力と気持ちが、ちぐはぐなことも多いのです。 自分に置き換えてみても、今自分がやっている仕事も得意かというとそうでもないような気がしますし、苦手なことでも毎日続けていて、それなりにやりがいを感じたりもします。 それだけ、人は、自分の気持ちに正直に、一貫性を持って行動することが苦手なのだ、と感じます。 自分の気持ちや意識、イメージだけでは、正しい適職や適性に出会えるとは限らないのです。 まさに実際に経験をしてみてわかることが多くあるのです。 ”経験”は過去にしか存在しませんので、就労の準備支援では過去がとても大事なのです。 未来の成功に向けて、過去にある経験にしっかりと目を向けたいです。 経験を自分の財産にしたいです、そして経験は過去にしかないのです。

  • 障害厚生年金

    なかなか日常の中で詳細に学ぶ機会の少ない年金制度ですが、よくニュースを聞いているだけでも年金制度の全体像はつかみにくいですね。 特に障害に関わる年金については、就労移行支援事業所ユースターのように福祉施設で働く者としては、耳にする機会は多いものの、その「詳細全て」を理解することは、専門家以外は、難しいのではないでしょうか。 その中でも就労支援を行っています就労移行支援事業所ユースターとしては、ご自分に関係のある部分だけでも、知っていただいた方が良いと思っています。 ユースターは、何等かの理由で働くことへのサポートを希望される方へ支援を行っていますが、その対象となる方に、障がいのある方がいらっしゃいます。 今日は、障がいがある方で働くことを目指す方の「障害厚生年金」について限られた知識ではありますが、触れさせていただきます。 皆さんは「障害厚生年金」をご存知でしょうか? ユースターを利用される方の中には、サラリーマンとして雇われて働く人は「厚生年金」が将来受給(もらえる)できることについて、既に知っていたり、ユースターの中で知ったりすると思います。 改めて「厚生年金」の概要を簡単に書きますと、厚生年金は会社(公務員も含みます)に雇われて働く方が得られる公的年金で、国民年金(老齢や障害などといった基礎年金)にプラスされて将来得られる年金です。 そこまでは聞いたことがある方でも、少しとまどうのは「障害厚生年金?」なるものではないでしょうか。 国民年金の中の老齢基礎年金とは別に障害基礎年金というものがあるのは聞いたことがあるかもしれません。しかし「厚生年金」と「障害厚生年金」は別のものか、両方得られるのか、障害基礎年金を受給(もらって)いる人はみな「厚生年金」ではなく「障害厚生年金」になるのか・・など、再びハテナ??の渦に巻き込まれます。 端的に申しまして「障害厚生年金」は、「厚生年金」と同じく「雇われて働く方」が対象ですが「働いている間に障がいが認定された方」が受けられるものです。 例えばユースターを利用される方で、既に20歳から障害基礎年金を受けていらっしゃる方が新たに就職をした場合でも、それだけで「障害厚生年金」を受給できるということではないのです。 その代わり、平成18年から改正されたこととして、障がいがありながら、働いたことを評価するために、年金制度上で障害基礎年金と老齢厚生年金、つまり既に得ている障害基礎年金に加えて障害厚生年金ではなく、障がいがなくて働いた方と同じ、老齢厚生年金が65歳から受給(もらえ)できるようになっています。 ここで説明しています内容はあくまで「概要」程度になりますので、正確な詳細は専門職の方への照会が必要になりますので、ご希望の方は年金事務所や社会保険労務士などの専門職へお問合せいただければと思います。 つまり障がいのある方が雇用されて働くことで将来の得られる公的年金も増えますので、そこでも働く意義はあることになります。 将来のためと考えると、働く動機を持ちやすくなる方もいらっしゃいます

  • 多様な人材の活躍イメージ

    少し古い調査にはなりますが、ある10,000社を対象にして、障がい者雇用の実態を調査した統計があります。 その内容を見ますと、大企業になればなるほど、働く障がい者が『企業の中で活躍すること』を重視しているようなのです。 その傾向は歓迎されるべきもので、障がい者雇用の安定化にもつながるものです。 しかし、一方で気になる数字もあります。 それは、企業の規模が小さくなればなるほど『企業の中で活躍すること』と回答する企業が少ないことです。 具体的には、1,000人以上の従業員のいる企業の6割が「障がい者の社内での活躍を重視」と回答したのに対して、100人未満の企業では、同様に「活躍を重視」している企業は1割強となっていました。 障がい者雇用促進法という法律によって、企業等が労働者の一定割合の障がいのある方(民間企業の現在は2.5%⇒2026年7月からは2.7%)を雇用する義務を負いますが、このルールがあるが故に、特に中小規模の企業に於いては、雇うことが先行してしまい、雇った後のことについて、企業の側での準備や方針をはじめ、実際の受け入れが追いつかず、あるいはどのように受け入れたら良いかわからずに困惑している状況がわかるのです。 就労移行支援事業所ユースターも、雇った後について企業からご相談をいただくこともあります。しかし、ご相談頂く企業は、ユースターが関わらせていただいた企業が多く、その他の外部の企業からのご相談はほとんどありません。 なぜそうなのかと言いますと、特に中小規模の企業は、数字ありきでの障がい者雇用が先行がちで、活躍して欲しい人材として障がいのある方を受け入れている、という「活躍イメージ」がなかなか育ちにくいからだと思います。 そのような企業への障がいのある方の雇用について、少しでも企業のサポートができれば、と、当社でも「企業を支援するサービス」を作っています(”YES”サービスといいます)。 しかし、告知不足もあり、実際に利用されたいという企業はまだ少ないのが現状です。 「活躍イメージ」といいますと、企業側から言うと「戦力」ということになるのではないでしょうか。 企業は、活躍する人材を、一定のお金や時間を投資して育てますが、障がいのある方については、どのように投資をしたら良いのかがわからなかったり、そもそも活躍を期待して本人に負荷がかかっては良くない、と思ってしまっているのではないでしょうか? 個人的見解ですが、「活躍イメージ」とは仕事の量や難易度を増やして「がんばらせる」ことではなく、働く本人が、やりがいを持ってできることは何か?・・を企業が見つけて、ちょうど良い量や難易度の役割を、適切に本人に与えることによって成し遂げられると思うのです。 そのためにも、企業にも、我々のような専門職を是非活用していただきたいと思っています。 「活躍イメージ」を雇用者が持てると、働く本人もその環境で頑張りやすくなると思います。 その「活躍イメージ」の中には当然ながら、「配慮」も含まれます。活躍できる条件を本人を見ながらしっかり持つことができる企業が、障がい者雇用が長続きしている企業なのかもしれません。 障がい者雇用に前向きな企業は、多様な人の活躍イメージを持てているのだと思います

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