ニーズとウォンツの狭間で①
- 吉岡 俊史

- 2 時間前
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福祉の支援では、「ニーズ」という言葉が良く使われます。
ニーズとは、本人が「必要」や「欲しい」「自分が得たい」モノやサービスなどで、なんらかの問題や困りごとを解決したり、状況を改善するために必要とされるもののことです。
不満足な状態だ、ということを、自分や周りの方が認識したり、「何となく」そう感じるとき、満たしたいと感じる欲望、必要とする要求、または問題を解決したいという願望などがあるとき、そこにニーズが現れてくるのだと思います。
上に書きました「何となく」という感情の段階だけでも、そこにニーズが生まれているのです。
つまり「どうしたいのか」ということが必ずしも明確でなくとも、また突き詰められていなくても「何となく〇〇であった方が良い」程度でもニーズになるのではないでしょうか。
支援者は、つい本人に何がしたいのか、どうありたいのかを問うてしまいがちです。でも何となくこうありたい、という感情が本人や身近な方が抱く時のニーズにも心を寄せる必要があるのだと思います。
周囲の方のニーズもあります。
本人がニーズの自覚がなく、特に希望もなくても、身近な方から見て「〇〇であれば良い」とか「〇〇であるべき」と感じる場合にもニーズがあると言えるのです。
特に人生の中での経験が浅い場合には、十分な選択肢を知らない場合もありますし、想像もできないかもしれません。そういった状況の中では、往々にして「現状で良いのではないか」と現状を問題ごと受入れてしまっている場合もあります。
例えば学生の方で家族と生活している方が、このままでも自分は生活できているのだから、働かなくても、おそらくずっと経済的にも生活的にも家族に頼って楽に過ごせるはず。と思っている場合、ニーズは本人よりも家族の方が重要なのかもしれません。
何にも束縛されず、自由に生きて、なおかつ生活が成り立つ、というのはとても楽な生活のように見えますが、そこには多くのニーズが隠れているのだと思います。
ニーズは、課題があったり、自分自身が不満足な状態(必ずしも不満足でない場合も)と、理想の間にある『隔たり』そのものです。
不満足な状態と理想・・・その両方がはっきりしていればいるほど、ニーズも明確になるはずです。
一方、そのニーズをどうにか解決する道具が「ウォンツ」(Wants)という解釈があります。ニーズを解決する手段として欲するものがウォンツということです。
弊社が運営する施設、就労移行支援事業所ユースターや行動援護事業所ユータイムは、障がいやその他の理由でサポートを受けて自分の生活や欲求を満たす方のために存在します。
ユースターやユータイムはニーズとウォンツのどちらに関わるのか、を考えるときがあります。
つまり、ニーズであれば、本人や周りに関わる方が持つ課題の認識、希望や欲求に関わるものですし、ウォンツであれば、その希望や欲求を満たすためにあるものです。
どちらでも良いと言う方もいらっしゃるとは思いますが、サービスを提供させていただく私たちは、自分たちの位置づけやミッションをしっかりと受けとめ、理解してサービスをさせていただかないと、本人の持つ希望や欲求と理想のギャップを埋めることができないのも事実です。
(=つづく)





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