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かたづけてしまおう!

目の前に何らかの「やるべきこと」が出てくると、早くかたづけよう!終わらせて目の前から無くそう~という気持ちが湧いてくるのは自然なことのようです。


例えばユースターでは午前、午後とプログラムが一日のうちに最低2回あります。多くの場合は、その2回は、それぞれ違うプログラムです。つまり都度区切りがあるということです。


プログラムを開始する時点で、まず最初に、今日のプログラムに自分を順応させてゆく段階があります。前日までに既に取り組んでいたもので、その続きを行う場合には、前回のことを思い出すようにしたり、初めてのものであれば、説明を聞きながら、全体像や完成イメージを自分の中で組み立てたりーー


その「スタートする」段階が終わると同時に、どんどんと先に進めたいという方が多くいらっしゃいます。

さらに顕著な行動が見られるのは、あと5分とか10分で終了する、という瞬間です。。。

誰もが急ぎ始め「目の前にあるものを全て終わらせよう(全て無くそう)」という意識で頭の中が一杯になるようです。


目の前に並んだものはとにかく「終わらせたい」という欲求があるのが私達人間なのかもしれません。

終わらせたいという裏には「終わっていないこと・・終わらなかったことが気になる・・」という気持ちがあるのです。


「完了」よりも「未完」なものの方が自分の中の「気になるもの」として意識に残りやすいのです。

これは心理学でも定義されていることで、ツァイガルニク効果と言われているものです。


さっさと終わらせて、まず終わらせてから・・・私も良く言ってしまいます。

私の経験ですが、子供のころ、中途半端で終わると、大人にたしなめられたり「早くやりなさい」と怒られたりすることがありました。人間が心理的に持つツァイガルニク効果に加えて、それらの幼少の体験からも「完了して終わらせること=〇」「途中で終わっていること=✕」という意識が自分には植え付けられてしまったのかもしれないと思います。


皆さんはいかがでしょうか?


就労移行支援事業所ユースターで就労のためのプログラムに取り組んでいる皆さんも、未完成で終わってしまうこと、時間内に「終わらせる」こと。気持ち良い区切りまで終わらせること・・・これらに意識が向いて、自然とこだわっていることがわかります。

この習慣は就職して何かの仕事を指示された場合にはとても役立つ習慣とは言えます。「終わらせる」ために自分が頑張ることで生産性や実行力が高まるからです。


しかし「途中で終わっていること=✕」の意識が強く記憶に残っていたり、中途半端である状態を悪いことと強く解釈している場合は、終わらない自分を責めたり、それが自分の能力不足な点だ、と評価してしまう危険もあります。つまりこだわりに留まらず、その人の能力の評価にしてしまうのです。


仕事が終わった自分は優秀で、途中までしかできない人は優秀ではない、といったレッテルです。


未完で、もやもやした気持ちが残る場合に、自分や他の人を責めてしまうことのないように気を付けないといけませんが、一番良い方法は、完成未完成ではなく、自分で時間内に「区切り」をつける力を身につけることかと思います。


ユースターでは、プログラム中に「あと〇〇分で終了ですからご自分で区切りをつけて下さいーーー終わる場所を決めてください」といった趣旨の言葉がけをさせていただいています。


終わらせることよりも、区切りをつけるタイミングや場所、それを自分の中で納得させること、報告すること・・などが活動でトレーニングする主旨になります。


キリをつけるってとても難しいことですが、働く上で必要なスキルなのだと思います。

スペインサグラダファミリアの写真
未完の聖堂>サグラダ・ファミリア。1882年から建築着工され、現在まだ未完。未完であることに魅力を感じる方も・・

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