時期が来たらー
- 吉岡 俊史

- 12 分前
- 読了時間: 4分
現在、実家でお住まいの方の自立生活について、ご家族の方と話題になることがあります。
「一人生活や自立をするとしたらいつごろ?」というテーマに多いコメントが「時期が来たら」です。
私も同じような質問をされたら、同じ答えをするかと思います。
障がいがあるお子さんのいらっしゃるご家庭でも、そうでなくても、親としての考えはこのように「時期」に合わせて自然に・・ということが多いのだと思います。
「時期がきたらー」というのは、つまり親が決めてしまうのは良くない、本人がその気にならなければなど、自然な気持ちから出てきた言葉なのだと思います。
疑問を持つ方がいらっしゃるとすれば「時期とはいつか?」ということなのだと思います。
就労移行支援事業所ユースターは、障がいのある方などの就労を支援している施設ですが、そこで、一人生活や自立について考える際、「時期」といえるポイントはいくつかあります。
・就職と同時に自立生活を開始する
・就職前に自立生活を整えておく
・就職して落ち着いたころに生活場所を変える
・ライフイベント(*後述)に変化があったときに生活を変える
人の人生設計を立てる際に、よく「標準の形」なるものが取り上げられます。
例えば、子が学校を卒業し、就職をして、自立し親元を離れる。親は自分の親の介護をしつつ、自分の老後も考える・・などが典型です。
そういった典型の中では子の自立については一定の年齢が仮定されます。そしてその多くは学校卒業や結婚といったライフイベント(*)が「自立」のタイミングとして設定されています。
では、仮に障がいがある方の場合はいかがでしょうか。まず最初に思うことは、ライフイベントはやや描きにくい・・ということです。
あくまで、一例ですが、卒業ー就職ー結婚ー家族を持つ・・等のイベントが計画通りにはならないかもしれないからかもしれません。
それは、本人が持つ情報から、自分で自分の未来を想像することが難しかったり、自分から希望を発信しない場合があったり、そもそも自立をする意義を感じなかったりするからではないでしょうか。
ライフイベントを描こうとすると「時期」が見えてきません。
「時期」がわかりにくいと、ひょっとして「自立」のタイミングを逃してしまう可能性もあります。
ではどうしたら良いのでしょうか?
あくまで、一つの考え方をご紹介したいと思います。それが、本人に合っているか、良いかどうか、などは個人個人で全く異なるので、決して「正解」ではありませんが・・
ライフイベントを、無理して前もって計画せず、本人を、卒業、社会に出る、就職といった『変動する周りの環境』の構成員として、本人を取り巻く環境全体の流れに合わせてゆくということです。そして、自分のやりたいことは、その環境の流れやタイミングとは別のペースで考える、というものです。
そして、すでにご存じのこととは思いますが、「自立」の考え方についても柔軟な視点でとらえるということです。
「自立」ーさまざまな方法
・ずっと実家でご家族と暮らし、生活のすべてを他のご家族と共にする
・実家で暮らすが、自分の身の回りのことを自分ですべて行う
・物理的に実家から離れた場所に引っ越して生活する
・実家とは別の場所に生活するが、ご家族以外の人から生活の支援を受けて生活する
・その他
これらのことを総括しますと、まさに「自立」とは「時期が来たら」行うことで良いのだと思いますが、その時期とは「本人が決める時期」だけに押し付けることではなく、環境全体が示してくれる「時期」で捉えてみるということです。そうすると「自立」のハードルが少し下がるかと思います。
そして、周りの人の役割は、本人の自立のために、本人が時期を表明するのを待つのではなく、本人の環境を整え、いつでもその「時期」に対応できるよう、情報・賛同者・アレンジする人などを整備、維持しておくことなのだと思います。
「時期がきたらー」と言いながら、本心は、悩ましくて考えられない、今は安定しているから変える必要があるのか?、といったご家族や身近な方の、迷う気持ちの現れかもしれません。
であれば、その「ご家族や身近な方」を取り巻く「さらに大きな輪」がそこを支えてゆくことも考えるべきかと思います。





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