答えない~②
- 吉岡 俊史

- 1 日前
- 読了時間: 3分
「暑いか寒いか?」という簡単に見える質問でも、答えが返ってこないことが多くあります。
前のブログにも書きましたが、多くの場合は、たとえあまり関心がない話題であっても
「わざわざ質問をしてくれたので、無視は失礼にあらるから何か答えようー”暑い寒い”の選択肢を聞いてきたので、どちらかを答えれば良いはず」
と考えるのではないかと想像します。
しかし、質問に対する答えを持っていても、言葉に出して返そうと思わない方が少なからずいらっしゃるのです。
なぜなのか?
・私と話をしたくないのかー
・今、とても返事ができる気分ではないのかー
・答えるまでもっと時間が欲しいのかー
・そもそも私が嫌いなのかー
・・・
などと色々とネガティブな方向に考えてしまうのです。
しかし、そのどれも違うようでした。
あえて言うのであれば・・・『フィルター』が効きすぎたようなのです。
『フィルター』とは
すぐに答えると相手とトラブルになるかも・・だから答える前に自分の答えをフィルターにかけて審査しなければ・・
と思ってしまうのです。
また、自分が答える内容によって相手が自分を悪く思ってしまうのではないか?
とも考えてしまうそうです。
そしてフィルターにかけている間に反応が遅くなったり、結局言葉として出てこなかったりしてしまうようです。
その他にも「自分が考えていることがわからなくなってしまう」という方もいらっしゃいます。つまり考えることで出口に向かう道がかえってわからなくなってしまうのかもしれません。
心理学ではこのような反応についての研究がなされていますが、大変素人ながらも大雑把に言うと、「答えない」は言語というより心や対人に関することが原因ということもある
、といえそうです。
誰でも、自信がないことを何かしら持っています。
それを知っているから失敗はしたくないですし、責任はできるだけ取りたくない、挑戦もしたくないと思う人もいるのだと思います。
でもその一方で、成長したい、挑戦したい、という欲求は人間として自然に持っているはずです。
成長して今の自分があることを考えれば、成長したくない、と心底思っていても人は成長して今に至っているのです。
今回のブログは、アセスメントの入り口として、他愛のない会話からはじめている、という話題から、実はその会話自体が大きなストレスとなる場合があること。そして、それは言語や会話力の優劣ではなく、誰もが持つ心の状態にもつながっている、ということを書かせていただきました。
会話のあり方は、就労支援の場面にもつながることが多くあります。
障がいのある方を受け入れた職場では、周囲の人の受け入れ方、話しかけ次第で、本人がとても自信を持てるようになったり、その逆であったりします。
他の人の心を正確に読むことは難しいです。
それゆえに「話しかけに答えない」ということをモラルや社会性、礼儀ということだけで振り分けずに、周りの人がその方の心の状態を含めて優しく受け入れられる職場は本当にすばらしい職場ではないかと思います。







コメント