状況に振り回されない就活
- 吉岡 俊史

- 7 分前
- 読了時間: 3分
「こうありたい」という想いは多くの方が持っていることかと思います。
でも多くの場合、できない理由が出てきて、それが壁になって「こうなりたかったが、なれなかった」となってしまいます。
「これではいけないーー強い意志を持って」とおっしゃる方は多いのですが、簡単ではありません。
できない状況は誰の周りにもたくさんあります。また探さなくてもたくさんあるにも関わらず、できない理由を探してしまうことがあるのです。
私が言える立場ではありませんが・・・できない理由を探そうとする場合は、元々やろうとは思っていないのです。それが悪いということではなく、できない理由を探し始めた時点で、別の案や方法を考えた方がよいかもしれないのです。
障がいなどで働くサポートを希望され、支援スタッフとともに就職活動から働き続けることを支える就労移行支援事業所ユースターでは、働きはじめの「会社選び」から支援スタッフと一緒に進めます。
その際、どのような場合であっても「就職先の会社は自分で決めていただく」ことを、揺らぎ無く最も大事なこととして進めるのですが、自分で決めることを苦手とする方もいらっしゃいます。
そのような場合でも、代わりに支援スタッフが選ぶサポートはいたしません。
理由は申し上げるまでもないのですが、自分で決めていない場所では、やりがいや意欲を持って働き続けることが難しい場合があるからです。
仮にそのような就職のしかたをしたとすると、仕事がうまくゆかなかった時に、自分が決めたのではない、〇〇(例:支援者)が決めた会社だからと、あたかも「〇〇会社で働けと言われた」という気持ちになりやすいのです。
つまり、冒頭の「できない理由」です。
就職をすることは大変に難しく、人生の転機になる大イベントです。それだけに、就職を阻む状況は自分の周りにたくさん現れます。
支援スタッフは本人と一緒に、その状況を見ないようにしたり、時には正面から向き合って乗り越えながら一歩づつ進むことになります。
その際には「状況に振り回されないこと」を本人と一緒に確認してゆきます。
具体的には、人によって違いはありますが、まずは、就職をする際に、困難な状況を十分に整理して認識します。
例えば、毎日同じ時間に起床することが苦手・・週末に働くなんて考えられない・・とにかく周りには親切で自分をわかってくれる人がいて欲しい・・など
これらはどれも本人にとっての切実なもので、決して甘いとか高望みということではありません。
しかし、条件が多ければ多いほど就職候補が減る現実は理解をしていただきつつ、なぜその条件なのか、にも向き合います。。
支援スタッフと一緒に話し合うことで、場合によっては条件を変えたり、下げることも起こるのです。
そして次にくるのが、求人をしている会社、つまり雇用者の状況です。
膨大な数の求人情報を集めながら片っ端から、ボツにする方もいます。会社の条件で自分に合わない部分を取り上げて、応募しない理由とする場合があるのです。
就職する会社は慎重に選ぶ必要がありますが、どの会社も合っていない、と決めてしまうと、これが状況に振り回されていることになります。そうならないように支援スタッフも一緒にさがしつつ、会社のネガティブ状況を探すのが就職活動ではないことをお伝えします。
会社の募集条件で自分に合わないものを、少しは受け入れられる条件はないか、なども検討します。
そして、その状況に振り回されないようにしつつ、現実と本人の持つ希望や願望をすり合わせてゆきます。





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