年金制度(健康保険、厚生年金)と就労の壁
- 吉岡 俊史

- 2 日前
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2025年中は、「106万円の壁」という言葉を良く聞きました。
政治や選挙と関係して議論がされてきましたので、ニュースに頻繁に出てきたからだと思います。
そして、2025年、その「壁」が大きく変わる方向が出ました。
ご存じの方には今さらですが、ここで改めて106万円の壁はどこから来るかについて簡単に触れさせていただきます。
いわゆる労働時間、労働日数のどちらか一つか両方が、正社員が働く時間(フルタイム)の4分の3未満の場合に「短時間労働者」になりますが、その短時間労働者の中でも月給が88000円以上の方は健康保険と厚生年金の被保険者(保険が適用になるということ)になっています。月給88000円と言うと年間で約106万円ということになるのです。
そして、この月給(月額賃金)の規定が2028年6月までに無くなるということが決まりました。
その他にいくつかあった被保険者になる要件(複雑になりますので省略します)も改正されるので、(制度の議論によっては変わる可能性もありますが)10年後には会社の規模に関わらず、週20時間以上働く学生以外の方には健康保険と厚生年金が適用となるのです。
この106万円の壁が無くなることと障がい者雇用への影響をあらためて考えてみますと・・
障がい者雇用に関して、企業にとっても一つの壁があります。それは、企業に一定割合以上の障害者雇用を義務付ける「障がい者雇用率制度」です。
その雇用率は、2026年の7月に民間企業で2.7%に引きあがりますので、37人以上の従業員を抱える企業が雇用することになり、いよいよ従業員30人代規模の企業も障がい者雇用に向き合うことになるのです。
そして重度の障がいのある方の雇用以外としては、一週間に30時間以上働く障がい者の方を企業は受け入れたいと考えることが多いのです。
それは、一人の障がい者を雇用したと算えられる要件が、「週30時間以上働く方」となっているからです。
そうなりますと、30時間という壁が企業にも働く本人にも出てきます。週5日勤務では一日6時間の就業となりますので、初めて働く障がいのある方にとっても高い壁になるかもしれません。
更に、週30時間というと、漏れなく全員が年金被保険者になる、ということです。
障がいやその他の理由で、サポートを受けて就職を目指す方が利用される就労移行支援事業所ユースターは、一日の約5時間の活動の中で、それ以上就業できるように様々な準備を本人のペースに合わせて行っています。
就職をして、社会保険が付与されるということは、社会人としての自立という形が、まさに目に見えて印象付けられるものだと思います。
被保険者になることを社会人のステータスと捉えて、本人の励みの一つになるようにすることが、傍らにいる支援スタッフの役割の一つかもしれません。
働く本人には、保険料や将来の年金に向けて、お給料の一部を使うことで、社会の一員として貢献をしていると捉えていただきたいですし、就労支援を担うスタッフはそういった社会システムの中で活動する本人に、そのしくみと共に具体的なことを説明し、働くということを通して、色々な社会とのつながりができてくることを知っていただければと思っています。





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