グループワーク②
- 吉岡 俊史
- 1 日前
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社会の中で、生活して働き、自分らしく活躍するために持っているべき力は、他の人との関わる力(コミュニケーション)ではないか、という考えに立って書かせていただいています。
前のブログでは、コミュニケーションが大事だからといって、押し付けの支援は逆効果であること、支援方法は個人に合わせ、絶えず修正改善し続ける必要があること・・などに触れました。
そして、自分に合ったコミュニケーションのしかたを知っていただくための支援について書かせていただきました。
そして、ユースターに於いて、個人個人のタイミングに合わせた”グループワーク”を一つのコミュニケーションを知る方法として活用している点をご紹介しました。
ここでいうタイミングとは、自分を取り巻く環境や人へその方が視点を移せるようになり、意識や関心が広がった時・・・であると思います。
良いタイミングは、年齢や経歴、働いた経験や理解度等と一律につなげることはできないのです。
グループワークの方法について、過去に就労移行支援事業所ユースターでは、教科書的な方法をそのまま導入したところ、支援を提供する支援スタッフの納得感が今一つなかった上に、技能も伴わっていなかったために、参加者が、自分に自信が持てた、満足したというまでの成果にはならなかった経験もしました。
そこで、ユースターでは、支援の目的、参加者に合わせて、毎回グループワークの企画や方法を0から作ることにしています。
テーマについては、ユースターを利用される方の持つ課題や困っていること、社会から見て本人に求めることなどを含めたものにします。
参加者(メンバリング)については、課題や困っていることが共有できる人、同じ課題を乗り越えた人、自分はこうなりたい、という思いが似ている人、課題や困っていることは異なるが、客観的には根底で同じと何となくともない人などです。
企画や方法を0から作るということは、テーマ選びやそれに合わせたメンバリングはもちろん、支援スタッフの入り方、材料、動機付け(導入)などを都度作るということになります。
では、改めてなぜグループワークという形を使うのか?といいますと・・
・主体的に頭と身体を動かすことで社会というリアルを感じれるから
・他の人の意見や考え方そのものが「社会」であり、自分がいる場所が既に「社会」なのだ、という実感を持っていただけるから
・「聴く」ことが練習できるから
・支援スタッフの誘いによって要点理解、メモ、言語化などのテクニックを体験できるから
・人の意見に自分の意見を重ねる、賛同する、また別の視点から意見するなどで、無理せず自分の意見を発言できたという体験ができるから
・その他・・・ということだからです。
コミュニケーションのために、人と話すだけであれば、就職をしてからでもできます。
知らない人との関係を持つ環境に入れば、そこで対人構築の経験はできるし、働きながらでもチャンスは得られる、という意見もあります。
しかし、コミュニケーションに関わるグループワークは、是非就職前に経験していただきたいプログラムです。
それはコミュニケーションは『会話』だけではなく、相手を尊重したり、自分が譲ったり、興味を持てるように頑張ったり、自分の意見を持ったり修正したり・・
と自分の内面での作業(ワーク)が多くあるからです。
また、辛い思いをしながら、自分以外の人と関わることで「何かが身につくものでもない」からです。
グループワークの意義や楽しさを体験いただけるよう、ユースターでは色々な工夫をしていますが、今後も更に皆さんに合ったものに育ててゆきたいと思っています。

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