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就労の評価から~秘めていること②

●指示通り作業ができる

◆指摘されたことに素直に従える

■終わりまで集中できる


このようなすばらしい職業行動をとられる方、(表現が稚拙ですが)”雇われやすい方”かもしれません。

しかし私が上記を報告した際、同席されていた方々の中には渋い表情や納得感が薄い方がいらっしゃいました。


そこで本人の持つ本音に近づくようにして、本人側に立った就労の評価をまとめると、周りから見える「良いこと」だけで決めてはいけないことがわかりました。


再度、例に出てきました方について、本音に近づいてみたいと思います。

まず「指示通り作業ができる」方は、他の方法を知らないし、興味もなく、指示通りに行動するのが一番楽だと思っているから。そして無意識に自分を守るために指示に従っている。今までの人生でそのことを学んだから・・ということかもしれません。


また「指導や指摘をされたときに素直に従う」のは、周りから見ると素晴らしい人格の持ち主ですが、その裏で、反発することで叱責を受け続けたマイナスの体験や、素直に従うと褒められたという経験から、それが正しい行動だと染みついている・・ということかもしれません。


そして、「集中できる」は、作業を早く終わらせたい、という終わりを一心不乱にめざす、次に何かがあっても無くても、とにかく目の前に来たものは終えて次に行く。そういった行動パターンであり、気持ちを込めて集中しているわけではない・・・場合もあるようです。


これら、内面に秘めている部分(ここでは「核」と呼ばせていただきます)を見ることはとても大事だと思います。

あまり見たくない気持ちもありながらも、就労支援を行う上では、例えそれがネガティブなことであったとしても、核で見えたものを避けずに良い点だけを見ていることはあり得ないのです。


なぜなら、内面に本人の困っていることがあり、表面だけでは本人にたどり着けないからです。そしてたどり着けなければ、本人の得たい支援にならない可能性があるからです。


そして、内面のネガティブな部分に出会ったら、それを否定せず、その部分を本人の魅力に変えてゆく支援をしてゆくことになります。


具体的な方法はそれぞれの支援者の専門性や方針によって異なると思いますが、私の場合には、その方がいる社会と本人の核の部分の整合性を合わせるために色々な手立てを行います。

まずはその方の核に着目し認めてゆきながら、それを元にした本人の働き方や就労への支援を考えます。

次に、核の修正が必要であれば、修正をする支援を模索します。


社会は変えにくいですが、本人の核はトレーニングや環境、サポートの調整などで、変えてゆけることもあるからです。


最後に、”変えてゆける小さなこと”の例の一つを挙げます。

自分の内面の想いを「ありがとう」や「すみません」の言葉をたくさん使いながら伝えてみる。。ということです。

「すみません、〇〇をするという指示でしたが、自分は△△の方がやりやすいし、慣れています。できれば変えても良いでしょうか?ーありがとうございます」


あまり難しいことではないと思いますし、それだけで、ひょっとして自分の内面の気持ちを周りの人に伝えられるかもしれません。

話しをしている様子
仕事の態度が良い場合には深い部分に支援が必要なときも・・・

 
 
 

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