一隅を照らす
- 吉岡 俊史
- 9月26日
- 読了時間: 2分
比叡山に延暦寺を開いた伝教大師最澄(さいちょう)の言葉「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」は広く知られています。
一人ひとりの力は小さく、それぞれがばらばらに活動しているように見えるが、一人の小さな光が、気づかないうちに周りのひとに影響を与え・・やがて世の中全体を照らすことができる。。。
自分一人のやっていることは、何にもなっていない。誰にも認められていない、と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
就労にむけて必要なさまざまな準備を、広い範囲で支援をしている就労移行支援事業所ユースターですが、就職活動中に支援スタッフが、次のような本人の葛藤や悩みを聞くことがあります。
・なぜ私には不採用が続くの?
・自分ができると思える仕事が見つからない
・他の人はもっと良い会社に就職できているのではないか?
・他の人は、もっと早く内定をもらえていそうだ・・
・みんなは働くために何が必要かがわかっているが自分はわからない
・・・・
具体性がなく、自分はできていないと焦ったり、あきらめたりする方がいらっしゃいます。
もちろんその逆もあるのですが、実はその気持ちは「自信が持てていない人」の一言で決められないことだと思います。
もっと心の奥底では複雑な気持ちを抱えていて”なぜうまくゆかないのだろうか?”と悩み続けているのかもしれません。
そのような時に誰かが「自信をもって」と言っても救われることはないでしょう。
心の中では、自分は一隅を照らす光でしかなく、自分自身が小さいと自己決定してしまうのだと思います。
しかし、世の中は、一見小さな光に見えるその光が集まってできているものです。だれか巨大な力を持つ人がいるわけではないことを、もっとそれぞれ自分で言い聞かせていただきたいと思います。
そして、人が持つ一隅は、それぞれに個性があって違うものであり、たとえメジャーな存在に見える人で「あの人はすごい」と思っても、その人も一隅であって、自分と同じであることも知って欲しいです。
その人の努力と自分の努力が合わさって大きな力になると考えていただければ嬉しいです。
さらに、誰もが一隅に存在する人であれば、その一隅に寄り添っている支援者がいることもあらてめてお伝えしたいです。
強くしたたかに先に歩んで・・と願っています。

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