人の般化
- 吉岡 俊史

- 12 分前
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就労支援を提供させていただいている就労移行支援事業所ユースターでは、社会で求められる行動、ふるまいについて習得していただくプログラムを複数ご用意しています。
その中で、何度かご紹介しましたSST(社会生活技能訓練)は当施設でも行っているプログラムですが、本来は、そこで得た社会性を、社会で適切な対人関係を維持したり、集団生活に活用することがSSTの目的となります。
ユースターでは、このSSTを通して習得した力を、実際に社会で再現できるすぐ手前まで取り組みます。そして就職後等に本番で活用できるように、就職後の支援の中でジョブコーチや就労支援員が見守ります。
この人間関係や集団生活で必要な社会的スキルを段階的に学び、活かしてゆくためには、「般化」をすることが必要です。
般化とは特定の条件の中で習得した反応を、別の場所で似たような条件に出会ったときに発揮できることをいうのですが、ユースターのSSTでは、繰り返し経験することで習得してゆきます。
平たく言うと慣れてゆくことなのです。
ところで、この「般化」という言葉ですが、障がい福祉の支援では、良く耳にする単語です。例えば自閉症の方への支援でも般化が難しいことへの支援について論じられることがあります。
多少わかりにくくて大変恐縮なのですが、般化を英語にするとジェネラリゼーション(generalization)です。しかし、ジェネラリゼーションというと「一般化」とか「普遍化」という意味に近づくので、ここでいう「一定の条件がある場合に」どこでも同じ反応ができること・・というよりも、もっと世間一般で良く見られること、という意味合いが強くなるのだと思います。
行動する本人の立場で考えてみますと、一定の条件で同じ反応ができて評価される、ということは、条件に対しての反応ですので狭く一方通行的な行動となりがちです。
そうではなく、できるだけ、その場で自分で考えて、選択肢から自分が良いと考える行動ができると、さらに本人としての納得感を持てると思うのです。
それが難しいから条件と行動をセットで覚え込むということなのかもしれませんが、社会一般にある「条件」はさまざまでとても全ての条件を習得することはできません。
そこで必要となる別の般化として「人の般化」もあると思います。ここから先は完全にユースターや私自身のオリジナルになり、確立された理論ではないのですが、人に対して良い関係を維持できる方法は障がいの有無に関わらず、誰にとっても大事なことです。
相手に失礼のないように・・とは良く言われます。
相手が自分に対して悪い印象を持たないように・・、不快にさせないように・・、敬意を表し、礼儀を尽くして接するという、いわゆる人として大事なことです。
この意味や目的を学ぶことも諦めてはいけないと思います。
人に対してこの大事な心掛けを、仮に完全に習得できないとしても、例えば支援者や周囲の方は、本人の学べる範囲で、学べるように本人と一緒に努力するべきなのだと思います。障がいの特性や重軽とは別の範疇での理論となると思います。
般化とはある条件への反応を機械的に他でもできるように・・という意味だけではないと思います。
障がいの有無に関わらず、礼儀や敬意を表することとはどのようなことか、についても知る機会を持てるべきかと思います。もちろん本人の理解の仕方や学び方に合わせてゆくことは言うまでもありません。





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