指示
- 吉岡 俊史
- 23 時間前
- 読了時間: 3分
働く上で必ずあるものが職場からの「指示」です。
当たり前のことですが・・指示とは?
『指示者がやってほしい行動を他の人が進めるために、指示者が出す、手順や方法、段取りなど、そしてそれを行う合図など』です。
誰でも知っている「指示」という言葉の意味ですが、この説明に「重要な点」が隠されています。
それは指示者が出す手順、方法、段取りという部分です。
実際の仕事の現場を見てみると、意外にも多いのが、指示の中にこれらの「手順」「方法」「段取り」が十分に入っていないことがあるのです。
障がいなどで働き辛さを感じる方への就労支援を行う就労移行支援事業所ユースターでは、
就職した方へ、就労支援員やジョブコーチとして、ユースターの施設内で一緒に準備をしてきた支援スタッフが就職後に職場にもおうかがいします。
そして、仕事への馴染み方、自分が行うべき業務の理解、困っていることなどを、働く本人や雇用する企業からお聞きし、必要に応じて両方の支援をしています。
その過程で、時々見聞きするのは「手順」「方法」「段取り」と思われるものが、本人にしっかり伝わっていないということです。
具体的には、仕事を説明ではなく、社員の方がやって見せて、一通り一回だけやって、あとは本人に委ねてしまう、という「無理やりOJT」のようなこともあります。
もちろんほとんどの企業は、とても丁寧に、かつ傍らで本人の様子を見つつ、十分にフォローをして下さいます。そして働く本人の習熟を見極めて下さいます。
しかし一部の職場では、誰でもわかりやすい手順だから説明は簡単で良いであろう・・と思われてしまうことがあり、それが原因で本人の混乱が起こるのです。
そうなる責任は、必ずしも企業側にあるとは限りません。なぜかと言いますと、以下のような場面を見ることがあるからです。
①覚えやすく、シンプルで間違いようがない手順だ、と指示者が思ってしまい、しつこく説明することで、働く本人がかえって混乱したり、わかっているのに説明がくどいと思われないように・・・という指示者の遠慮(気遣い)があるため
②指示や説明をする人がいない、あるいは頻繁に変わる・・・組織的なこと
③働く本人も理解したのか反応(リアクション、質問等)をしない、あるいはわかっていなくても肯定的な返事(「はい」など)をするために、指示者が、本人はわかっている、と勘違いしてしまう・・・社会で働く人として、できるだけ本人ががんばること
④どんな仕事だったら本人に適合しているか企業もわからず、あいまいなままで仕事が割り当てられてしまう・・・支援スタッフをはじめ全員が協力すべきこと
もしこのブログをご覧になっている方で、働く側を経験された方がいらっしゃれば①-④のようなご経験があるのではないでしょうか?あるいはこれら以外にも、もっとたくさんの経験もされているかもしれません。
一方で、雇う側の方にも思い当たることはあるかもしれません。
これらは就労支援を行う上で’あるある’なことなのです。しかし障がい者雇用に限ることではなく、どの職場でもありうることなのだとも思います。
雇う側の方々も、とてもたくさんの気遣いをして下さっています。しかし、その気遣いが働く本人と一致しないこともあるために、特に最初に混乱が生じることにもなるのです。
指示から仕事のアウトプットに移すということは、決して簡単ではなく、奥深いと思います。
指示する方、指示を受ける方の両方からの協力と、実行が不可欠です。どちらかが遠慮をしたり、引いたりする立ち位置にならないように、支援者も間で尽力をしなければなりません。
相手の理解や納得が伴って行動するまでが「指示」と思って。。

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