行動経済学の分野に精通されている方には一般的な理論のようですが、私のようにその分野の知識の無い人にとってはなじみのないものです。
ナッジとは英語でnudgeと表記し「注意を引くために、ひじでそっと突く」という意味があるようです。
つまり、相手に選ばせるようにして、選んでほしいほうにやさしく誘導する、というような意味です。
身近な例で言うと、たとえば私たちがパソコンなどでアンケートに回答したり、何かを選ぶ際、選択肢がメニューで表示されているとします。画面には選択肢の一つだけがあらかじめ表示されていて、その他の選択肢は、横に⇩のようなマークがあって、それを押すと出てくるしくみです。「プルダウン」と呼ばれているものです。
迷うとき、甲乙つけがたいとき、たいして興味がないとき・・・何を選びますか?・・・・
最初に示してある選択肢をそのまま選んでしまう事はありませんか?
先日私はネットで服を購入しました。季節外の服が安くなっていましたので、早速購入したのですが、その服は季節外れの服ですので、今すぐに着るものではないので、急いで手に入れる必要はありませんでした。。無事商品を選び、購入手続きに入ったとき・・選択を迫られました・・「配達日」です・・そこにはプルダウンで
①なるべく早い配達
②いつでも良い配達
の選択でした。普通考えるのは後者の②ですよね・・・すぐには着ないものですから。。
しかし、その画面にたどり着くまでの手続きの煩雑さにやや疲れがあった私・・・選択肢の最初に表示されている(つまりデフォルト)「なるべく早い配達」をこれでいいや、とついクリックしてしまったのです。
配送料は同じでしたので、①を選んでも、自分には何のデメリットもありませんでしたので。
あまり気にもしませんでしたが、今考えると、急いでいないものをなるべく早く配達していただく必要はなく、それによって配送に関わる方へ、余計な負担をかけてしまったのでは?ひょっとしてそれで残業する方が出てくるとか・・など罪悪感を感じました。
デフォルトになっていたが故にどちらでも良い人はこのように「最初に出ていたもの」を選んでしまうことが多い、やさしく誘導されてしまったのかもしれません。つまりそれがナッジなのです。
最初に出ていたものに限らず、みんなが選んでいるもの、といった心理的なプレッシャーもナッジです。
就職も究極の選択の営みです。ユースターを利用される方には、デフォルトやナッジに流されず、きちんと自分に問いかけて最善を選んでいただきたいですし、私たち支援者が、皆さんの気持ちをどこかに置いてナッジしないように気を付けなければならないと思いました。
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