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執筆者の写真吉岡 俊史

連帯感②

就労移行支援事業所ユースターでは、人とのコミュニケーションが苦手であったり、他人の前では不安が大きくなったり、自信を持つことができずに悩んでいる方が、働いて社会で活躍する支援を行っています。


対人不安があったり、大勢の中で働きたくない、という方は、少人数や一人で働ける環境を職場として選ぶことがあります。

そのように「一人で働きたい」と希望する方でも、連帯して働く経験をすることで、社会に目を向けるきっかけになることがあるようです。それは、気持ちの連帯=連帯感というものがあるからです。


同じ空間で一緒に仕事をする、同じ仕事をする、といった物理的な連帯ではなくても、気持ちの上で、連帯感を持つ、ということはできるのです。

気持ちを支え合う仲間(同僚)の存在や、異なる場所でも同じ目的で働く人の存在を知ることで、その方なりの連帯感が生まれ、それが自分を支えることにつながるからです。

それだけではなく、(連帯を意識して働く練習をすると)対人コミュニケーション力も上げるきっかけにもなるのです。

一種のイメージトレーニングかもしれません。


ユースターにいる間に、人に対する不安や恐怖が完全になくなる、といった魔法はありません。対人不安があったり、大勢の中で働きたくない方は、いくら連帯感を経験しても、お客様と接するようなお仕事を選ぼうとしない方が多いです。

しかし、連帯感を持つ経験をユースターでしていただくことで、働くことが楽しいと感じたり、前向きな気持ちになれる場合もあります。誰かに褒められたり評価されることは仕事のモチベーションにつながる、と考えられがちですが、全ての人が、褒められるとモチベーションがあがる、というわけではありませんし、誰かに評価をされることが逆に圧力として自分を苦しめてしまう、という場合も増えているように感じます。

期待されるために働きたいのではなく、自分のペースで自分が安心して働きたいだけ・・・という方もいらっしゃるのです。


そのような皆さんには、誰かが褒めたり、評価をする・・ということだけではなく、一緒に同じことをしている人がいる、という意識を持てる事が、仕事を続けたり、働き甲斐を感じる要素にもなる、ということを支援の過程で気づいた次第です。


一人で長い道を歩く様子
人と関わりながら働くことが苦手でも、誰かと連帯感を感じる事で仕事の実感を得ることもあるかもしれません

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