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真似る①

執筆者の写真: 吉岡 俊史吉岡 俊史

「習うより慣れろ」ということわざがあります。多少決めつけがあるかもしれませんが、このことわざに改めて共感することも多くあります。


就労移行支援事業所ユースターでは、就職だけではなく、将来社会にいる一人として生きてゆくさまざまなことをテーマに準備支援を行っていますが、その多くは「形としては見えない知識やスキル」の習得です。


そこで、”習得”といっても”学ぶ”形で習得するのではなく

「意識しない中での自然な形での習得」が自分の中に入りやすく、長持ちしやすいということについて、実感していることを書かせてきただきます。

学ぶ形ではなく、どちらかというと”無意識な経験”に近いものです。


習得すべきものの一つに「社会性」とも言われるものがあります。社会のルールや、今、自分が置かれている場面でとるべき行動や、周りと調和できる会話やふるまいなどです。


ユースターで過ごす日々の中で、これらの「目に見えないこと」をどのように自分の中に蓄積していただくか、は個人個人でそのやり方が異なります。そのために支援は個別となるわけです。


このスキルを、意識的に”学ぶ”のではなく、それぞれの方に合わせて自然に身に着けることは容易いものではありませんが、基本もあるように思います。

社会で必要となる「形としては見えない知識やスキル」を自分のものにする基本は「自分で納得する」ということだと思います。

つまり自分のものにするために、自分で受け入れる態勢を自分の中に作るということです。


特に成人になってからは、理屈で教えられたり、強いられた見えないスキルは、義務的であればあるほど自分の中に上書きしにくい、ということがあります。それは、自分が今まで生きてきた中で確立した行動特性は簡単には変えられないということかもしれません。


一方で、真似る、というやり方は、押し付けられた行動よりもやや自発的で、かつ理屈よりも身に着きやすいものではないかと感じます。


たとえば幼少のときに家族や大人からしつけられたものがあるとして、それが大人になった今も身に着いているとしたら、長期間かかって何度も言われたから、かもしれません。

しかし、一方で毎日家族が行っていた行動を”真似る”ことで身に着いたことも多くあるはずです。

言われなくても家族のみんながそのようにしていたから・・・・例えばご近所の方と会った時に、自分の家族が会釈や言葉で挨拶を交わしている場面を子供の時から目にしていた。。。次第に自分もするようになった・・・といったことです。このような形で行動が身に着いた方は、他の人に自然に挨拶ができたり、礼儀を表すことに抵抗が無かったり・・・と社会でも使いやすいスキルが自分の中に蓄積されていることが多いのです。


社会に出るための準備としては、理屈で学ぶこともありますが、その一方で、自分の中に蓄積された既にある社会性を、何とか引っ張り出して応用できるようにする、あるいは真似ることで新たに蓄積する、ということに支援スタッフをしてもできることを続けたいと思います。


2羽の鳥が同じ行動をとっている
自分の行動を理屈で変えるより真似する方がやりやすいかもしれません・・納得も必要です














にならない

 
 
 

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