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執筆者の写真吉岡 俊史

手順書

一般的に言われる手順書とは別に、就労支援の中での狭義に用いられる手順書は、一つの工程、一手ごとに「何をどのようにするのか」を具体的に示したものです。それこそ「ほうきで掃く」という動作だけでも、用具棚のどこからほうきを出す、という段階から書かれてあるものもあります。

作業をする方にとってもはわかりやすいものになりますし、おそらく安心して仕事が進められるのだと思います。


しかし、全体を包括的に見れる方にとっては、具体的過ぎるがために、本来のその仕事の目的とするところがわかりにくくなったりします。例えば、前の例でしたら、ほうきの出し方揃え方に神経を使い、きれいに掃除をする、という中心となる目的への意識が薄れがちになるかもしれません。


手順書は支援の専門職にとっては一般的で、支援のツールとして使われます。仕事をする本人にとってはもちろんですが、支援者にも使いやすいツールではあります。


一方で、使い過ぎたことで、混乱を生じさせた経験も少なくなく、使い方も要注意なのだと思っています。

例えば、架空のイメージですが、お皿を洗うときの手順書に「1、中性洗剤をワンプッシュ、スポンジにかける」という手順があるとします。手順書にはそうとしか書けません。しかし実際に日々の食器洗浄ではどうしていますか?今日日スポンジや洗剤の性能も良く、洗う都度洗剤をかけなくても、スポンジに洗剤が残っていれば、かけなおさずに使う人もいるのではないでしょうか。

でも、手順書を作る人は「1、中性洗剤をワンプッシュ、スポンジにかける・・」としか表現できず、その手順書を使う方は、書かれてある以上、どんなにスポンジが泡々で洗浄力が充実していても、更に洗剤が補充されてしまうのです。さらに、その次に「2,水で30秒すすぎます」といった書き方もされることがあります。これはもちろんわかりやすく、すばらしい手順書ですが、先ほどの例で、泡々で満たされた食器の洗剤がきちんと落ちているのか?・・少し不安かもしれません。


手順書にしても何にしても合理的かつリアルで、そしてサステナブルでなければならないと思います。

毎回、もれなく洗剤を追加して使う仕事は、サステナブルではないかもしれません。


一支援者として、●●であれば△△、◆◆であれば✕✕といった、判断をもわかりやすく手順書に落とし込む合理的でサステナブルな手順書を開発しなければならないと感じます。


食洗器のボタンを押す写真
食洗器があれば・・ボタンを押す、というのが食器洗浄の手順1なのかもしれません・・

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