「資格」や「免許」を取得することで就職が有利・・・資格を持つ方は誰もがそう思いたいです。
しかし、世の中には「資格」と呼ばれるものはたくさんあり、どれも個性がある一方、職業とつながるものは、ほんの一部だけという現状とも言われます。つまり雇用する企業の求人側から言うと「〇〇資格が必須」という職業よりも、「不問(必須としない)」職業の方がはるかに多いのです。
そう考えると、資格を持っていると全ての道が開け保証され、持っていないとチャンスが無くなる、と考える必要もないようなのです。
国家資格だけでも300個あるなかで、難易度だけではなく職業とのつながりはさまざまです。必ずしも難しい資格だから職に就けるとかでもないこともあるようです。
先に書かせていただいたとおり、数ある資格の中でも、就職が保証される・・仕事が選び放題の資格、というものはそれほど多くあるわけではないのですが、「資格」という言葉は、どうしてもそれを持っていると就職しやすい、というイメージを持ちます。
就労移行支援事業所ユースターを利用されている方々の中には資格を持たないと就職できない、とか持っていないからデメリットだと思う方もいらっしゃいます。
事実、市販の履歴書様式の一部にも、資格を記入する欄がまだあり、それも自己アピールよりも前に「資格」を書かせる欄があったりします。企業はその欄をどれだけ重視しているかはさまざま異なりますが、大々的に資格欄が印刷されていると、つい空白で提出する時点で出遅れたような気持ちになってしまうのです。
実際は、資格を問わない企業にとっての資格欄は、本人の個性を補足する一部でしかないと思います。大事なのは本人そのものなのは変わりがないのです。
資格を否定しているわけではありません。就職のためのアピールにはなると思いますし、資格を切り捨ててしまうことも間違いだと思います。その理由は、(資格を)保有しているというステータスと共に、資格の持つの良いところとして、それを取得するという目標に向かって勉強したこと、勉強するプロセスが挙げられるからではないかと思うからです。
就労支援を行うユースターの提供させていただくプログラムの中にも、資格試験の準備を材料としている活動もあります。しかし、そのプログラムの目的は、専門的に資格を取得する、という専門的なレベル感にはなっていません。
では何かといいますと「資格を取得するための勉強の体験」を重視するものです。
具体的に言いますと、
・社会にある資格はどのようなものがあるのか
・資格を取得するために何をしたら良いのか?
・資格取得のために打ち込む体験
・現実的に資格が、就職や仕事にどのようにつながるのか?
・資格取得の準備をすることによる、自分に知識が蓄積される満足感
・自己肯定感を得る
などを目的としています
資格取得は大事ですし、意味深いです。しかし、取得するまでのプロセスの体験、必死に打ち込む体験、そして取得した後の自分の人生を考えることこそが、就労支援には大事な要素かと考えています。

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