就労移行支援事業所ユースターには、現役の学生の方も通っています。現役の高校生や大学生等です。
その中のおひとりと先日お話をしたときのことです・・・「社会人になったら必要なこととは?」というようなテーマだったかと思います。
社会のルールを知ること・・労働者としての義務と権利・・など、多少硬い項目も出ていましたが、その流れで「社会や地域に貢献することについてはどう思いますか?」と、若干あいまいなテーマを、支援者から投げかけさせていただきました。
そうすると・・
「貢献って?」と予想通りの反応がありました。”何に貢献することになるのか?””私は何かをしなければならないのか”が気になるようでした。
「さらにわかりにくくなったー」と言われる覚悟をしながら、具体的な単語として「納税、地域づくり、防犯防災、地域の助け合い、行政手続きなど、さまざまなことがあります」と、とりあえずの説明をし、さらに皆さんの沈黙、絶句、あるいは失笑までもかうことになりました。
とりあえず、それぞれの項目を説明し、市民、国民としてどのような形で貢献をすることになるのか、をご説明して一旦終わっています。
支援者の説明が至らなかったこともあり、おそらく消化不良になったなあ、と反省をしながら・・・”何かをしなければならない”ということではなく”社会で働くだけで、誰でもできる形で社会や地域に貢献をしている”ということをわかっていただけたら・・・・と困りながら考え、つい口から出た言葉は「社会に協力」でした。
そこであらためて「自分がもらうお給料の一部を税金として納めます。それも会社が自分の代わりに払うので、自分で手続きをしなくても良いです。働く人は誰でもできる協力の一つです」と税金の使い道とともに「協力」をするという言葉で説明をしなおしました。その結果、前よりも、少し身近に感じていただけたような反応を返してくださいました。
協力をしたい、という気持ちは、多くの人が自然に持つ感情だと思います。でもどうやって、何をしたら良いか・・私ができることは何か?がわからずに、つい放置しているのではないかと思います。
「貢献」となるとさらにハードルが高いイメージになり「自分にはできない」と思ってしまうようです。
あたりまえ、と思っているお給料から差し引かれるお金が、社会への協力になり、せっかくのお給料なので引かれるのは残念ではあるけれど、それが協力なのか、と実感が湧くのかもしれません。
働くこと、社会人になること、に漠然とした不安を持つ方も多いですが「社会に協力をする立場になる」ということが、働く人になる勇気、証、プライドにつながるのだと感じた次第です。
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