ユースターに於ける就労支援の活動の中に、自分のことを他の人に伝えていくプログラムがあります。といっても難しいトレーニングではなく、働く上で会話のマナーを知識として習得しながら、自分の感じることを言ってみたり、それを自分以外の人に聞いてもらう中で、自分自身を表現すること、自分のことを、自分なりに伝える方法を体験するグループワークです。まずは言葉で伝える体験です。
自分のことを伝えるのは誰しも大きなハードルを持ちます。ハードルの高さや内容は、人それぞれで大きく異なるのですが、多くの方は「正しく相手に伝わっているか?」「相手は自分のことをどう見ている(思う)か?」ということが気になるのではないでしょうか。
参加されるみなさんは、一生懸命にグループワークに参加くださっていますが、最初は、拒否的ではあっても、次第に興味や関心を持ち始めます。興味や関心を持ち始めるきっかけがあるような気がします・・・・
そのきっかけとは・・「自分のことがわかりはじめた」ということのように思います。
このプログラムでは、どうしても不安や恥じらい、自信のなさ等に向き合わなければいけないですが、どこかのタイミングで「自分で思っていたより自分は〇〇だ」、つまり人よりもできること、自分にしかできないことに、人の反応から気づいたり、人に言ってもらって知ることがあるようです。それによって「自分は〇〇な人だ」と思えるようになるのだと思います。
最初は、自分で自分のことがわからないから、表面上当たり障りのないように自分のことを伝えないといけない、自分がどうかというより、もとにかく相手が良い印象を持つように伝えるべき・・・という気持ちが先行し、自信の無い発言や態度をとったり、どうしたらよいかわからなくなってしまうようです。
しかし自分は〇〇だ、ということを知ると、プログラムにも参加する意欲が増すようです。
あたりまえかもしれませんが、自分のことを伝える第一歩は、自分を知るということだとつくづく思います。
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