社会性を全て網羅的に習得している人は多くはいないと思います。誰しもその場その場で考え、自分が過去に体験したこと、失敗した経験、誰かから聞いた情報などと照らしたり、結び付けながら判断して行動しているのだと思います。
職場であれば、職場の特有のルールや慣習に合わせて一か八か(?)試しながら行動しているときもあるのではないでしょうか。
長い間生きているとそれらの一か八かの経験が増え「合っているかはわからないが、間違いではないだろう」という「当たり」を付けられるようになるのだと思います。
しかし、障がいなどが原因で、経験を蓄積する機会が少なかったりすることもあります。また、自分の経験が蓄積されなかったり、場面を思い出したり想像したりということが難しい場合もあります。そして、経験したことを他の場面に活かす、ということが難しい場合もあります。
このようにハードルはいくつもありますが、本人もどうすれば良いのか、ということに困惑して悩み、失敗したような気持ちになり、それを引きずり、いっそう不安を大きくさせてしまうのだと思います。
10の場面で10通りとなると、全部を知りたいと思っても難しいです。
どうしたら良いのか・・・・?
ユースターでは、わかりやすくするために、そこで活かせる考え方の一つとしてTPOに焦点をあてて「その場に合っていると思われる行動の研究」をユースターを利用される方と一緒に行っています。
「この場面で自分はどのように行動するか」の繰り返しですが、繰り返すことでTPOを感じる感覚が身に着くのです。TPOについては皆さんご存じですが・・
いつ自分はこの場所にいるのか?「T」
どこに自分はいるのか?「P」
どのような場面に自分はいるのか「O」
をまずは把握することを練習します。そして、そこで得た状況をもとに、その場に合わせた行動を考える糸口を見つけます。「糸口を見つける」といっても難しいので、わかりやすい方法として、同じ空間にいる、自分以外の誰か・・その人は「どう思うか」について話し合います。「第三者の人がどう思うか」を話し合うことも難しい場合もありますので、その際は「あなたはどう感じますか?」を支援スタッフが引き出し、他の人(傍観者)がそれを見て、「他の人」はどのような印象を持つのか・・そもそも「他の人」の正体は何かを客観的に知るようにします。(※「他の人の正体」について次のブログで書かせていただきます)
つまり、適切な、正しい、間違った・・ということを明らかにするのではなく
『TPOに合わせてゆく』という方法です。
TPOは無数に存在しますので、トライアンドエラーは前提としてありますし、ふさわしい行動への一つのプロセスと捉えられるようにしています。
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