就労の評価から~秘めていること①
- 吉岡 俊史

- 6月23日
- 読了時間: 3分
就労移行支援事業所ユースターでは、関係機関の方や個人の方からのご依頼で、働くことについて、本人が持っている力はどの程度なのか?、得意や苦手なことは何か?、また社会で働くとなった場合に困りそうなこと、それに対してどのような支援を受ければ良いか・・などを調べ、働く力の評価という形でお渡しするサービスを行っています。
先日、ある方の評価をさせていただいた際、話題となりましたのが「本音」です。
その方は、施設や学校で、作業活動などをされる場合、目の前の作業について一生懸命に取り組んでいらっしゃいます。また指導者の指示や説明に従順で、最後まで取り組んでいらっしゃいました。
私が「見た限りでは問題がないように見えます。。」とお話しをしたとき、同席されていた関係者の皆さんは渋い顔をされ、完全に納得とまではならないようでした。
そこで、私から更に評価の奥深い点に触れさせていただくこととなりました。
それは、表面上の行動、まわりの人が見る本人のことを越えた「本人の核となる部分」についてです。
人間だれでも表に見せている自分、表現して伝えることと、内面に”秘めている””留めている”こと、の両方を常に持っていると思います。
それは「本音と建て前」という言葉で置き換えられることもありますが、実は職業の評価をさせていただく中で感じるのは、社会や公の場所で自分が行動する際には、本音と建て前という2つだけではなく、更に複雑な「真実」が重なり合っているということです。
つまりは、言われた通りに終える自分は自分のほんの一部分の能力であって、行動では見えないその他の大変多くの気持ち、心、心理の真実があり、それらの上に乗っている能力もあるのではないか、ということです。
それはたとえば氷山のように水面上に見えている何倍もの見えない部分があるのと似ているかもしれません。
先の方の例に戻りますと、本人の働き方は・・
●指示通り作業ができる
◆指摘されたことに素直に従える
■終わりまで集中できる
・・・良いことばかりです。
しかし、上記の3点には本人側の持つ気持ちは一切入っていません。では見方を変えて、本人側の気持ちはどうでしょうか?
そこでーー今回の方について、色々と観察をさせていただいた結果から、本人の気持ちを仮定して書き加えてみました
●指示通り作業ができる
(本人の内心)→他の方法がわからないし、興味もないのでその通りやる(それが楽だし(無意識に)自分を守れるから)
◆指摘されたことに素直に従える
(本人の内心)→言われたことに反発すると怒られる、従うと褒められる経験しかしていない、素直に従うことは「正しい行動」に疑う余地がない
■終わりまで集中できる
(本人の内心)→目の前の工程や作業を早く終わらせたい。半分意識を消してでもどんどん進めているだけ。集中をしているわけではない
良いことばかり・・という評価が少しくすんできました・・
しかし「良いこと」ではないとしたら「悪いこと」なのかというと、全く違います。
それは働く評価の上では、「良いこと」は悪いことや欠点の反対の意味ではないからです。
続きのブログでは、秘めている部分の魅力に着目することが本人の働き方や就労支援を考えることになるということをお伝えしたいと思います。
(=つづく)





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