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執筆者の写真吉岡 俊史

収入のために働く

収入を確保する、という捉え方は誰にでもあるのか、というとそうでもないようです。

ユースターの就労移行支援サービスは、65歳までの方は、どなたでもご利用できますが、20代から30代の方を見ると、障がい者基礎年金を受けていらっしゃる方と受給されていない方と半分半分です。

年金を受給されている方でも年金以外は基本的に定まった収入は無い方が大半です。ですから、就労により収入を得ていこうとされているのです。

さらに、就労すると、収入だけではなく、将来、厚生年金(勤務時間や日数の条件はありますが)等が受給できる、といった目立ちにくいメリットも出てきます。それらの意味でも、私たち就労移行支援事業所ユースターは、なるべく雇用契約を締結して働く事が、将来を考えると良いと思っています。


そこで、今日はあえて、「収入のために働く」ことを考えてみたいと思います。


障がいがありながら働く場合に、つい「毎日時間通り出勤できるか」「通勤に耐えられるか」「いろいろな難しい仕事ができるだろうか」「厳しい職場の中で、肩身の狭い思いをしないだろうか・・・」など、働く毎日の現実的なことに目がいきがちです。


同じように、私たち支援スタッフも、毎日の勤務で本人が苦労すること、さまざまなプレッシャーやストレスを受けながら働きとおす気力を持ち続けられるか、といったことを考えてしまいます。


しかし、実際に就職後の支援の経験の中で、働けるか否かは、働いてみないとわからないことが多いことに気づくのです。

なぜかといいますと、ユースターから就職された方の中に、今まで支援スタッフの前では見せなかった底力を、本番で初めて発揮する方がいらっしゃるからです。すべての方とは言いませんが、私たちに見せる顔よりも、本番となる職場での本人は、勤務態度、上司とのやりとり、機転、行動など、いつの間にか、私たちも驚くほどにすばらしく変わっていて、遅まきながら、その時に改めて本人に敬意をはらうことも少なくないからです。

更に、不思議なことに、雇用者として受け入れる企業が、事前に支援スタッフが打ち合わせしたときよりも、一段と理解や配慮が進んで、職場環境も本人が働きやすいように整備されているということもあります。。。不思議です。

収入があるから本人が変わったとは言いませんが、本人にとっては、極めて分かりやすい目標であることは事実です。


働けるかどうかだけを考えず、私たち支援スタッフも、本人の力を信じ、気持ちを受けとめて、勝手に心配せずに見守るべきだと思います。


そしてそこには収入を得ることの意味の重さ、それを現実として意識する本人の覚悟といったものもある、ということを尊重するべきだと思うのです。

「できるだろうか?」といった心配よりも、本人が自分で決心して、覚悟して進む先を一緒に見てゆきたいと思うのです。


『働いて収入を得る』


それはタブーでも二の次でもありません。とても重要な価値と意味を持っていることを改めて感じますし、本人だけではなく、私たち支援スタッフの「支援の姿勢を成長させる」ものにもなるのだと思います。


お金のために働くことは、すばらしいことです。。。


初めてのお給料を通帳で確認している写真
初給料を利用者の方と共によろこべるとき、幸せを感じます


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