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勇気と良心

福祉の支援は、本人を支えることに重点があり、本人に勇気を持たせることが絶対の目的ではありません。

私たちユースターは、障がいのある方や、障がいは無くても支援を必要とする方が、就職して社会に出ることを支援していますが、その支援の中で「勇気をもって」と本人に言ったことはほとんど無いのです。


「勇気」という言葉自体はとても美しく、背中を押される直接的なメッセージとして、ストレートに伝わってきます。事実、私自身もこの言葉に励まされた経験があります。

しかし、支援スタッフが、就労支援の中で「勇気をもって」と声をかける場面はほとんど無いですし、その言葉も出てこないですし、イメージもしっくりこない気がします。


なぜなのでしょうか・・・


社会に出て、働いて生活をしようとしている方が、就労移行支援事業所ユースターに来られますが、皆さん自分がやりたいこと、なりたい姿を漠然と抱きながら、不安の中にも希望や期待、覚悟を持ってこられるのです。

そのような方々に対して、勇気を持ちましょう、という言葉は皆さんのひたむきな気持ちに比べると、はるかに弱いメッセージになってしまいます。また、不安や自信が持てない、という方に、勇気を出してがんばりましょう、という言葉は「今のあなたを変えましょう」という意味にもつながるから、かもしれません。


「勇気」は、自分のために何をしたら良いかがわかった上で、そこに向かって一歩踏み出す気持ちを言い表している言葉です。

何をしたら良いのか・・これをするべき・・という気持ち、つまり「良心」が勇気の支えになっているのです。


就職に不安があって、自分に自信が持てない方に「勇気を出して」の言葉がそぐわない理由は、ユースターを利用される方が持っている良心から勇気を生み出すのは『本人』ではなく、まずは支援者、そしてその皆さんを受け入れる会社や周りの人の役割だからかもしれないと思うからです。


『すべての真の勇気は、良心から生まれる。人が勇敢であるためには、自分の良心にしたがうことが大切』(アメリカの聖職者Jフリーマン クラークの言葉)


その言葉を実践するために、支援者や周りの人のやるべきこともたくさんあると感じるのです。


気球がたくさん空に浮かんでいる写真
勇気は良心から生まれる・・・勇気がないことがいけないのではなく、勇気をいかに引き出すかを周りの人が考えるべきかもしれません




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