休む①~傷病手当金
- 吉岡 俊史
- 4 日前
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傷病手当金については、受給した方、名前やしくみをご存知の方・・名前だけ、全く・・など認知度は人によってさまざまだと思います。
ご存知の方には当たり前のことかもしれませんが「傷病手当金」は健康保険の被保険者が病気やけがになったときに、会社から支給される手当、と勘違いする方もいるとお聞きします。
しかし、この手当金は会社から支給されるのではなく、働けなくなり、お給料が十分に受け取れないあいだの生活を保障するために、健康保険組合、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)などが支給する手当金です。
就労支援を行う就労移行支援事業所ユースターから一般企業へ就職した方の中には、一定程度働き続けてきたが、働くあいだに心身のコンディションが、仕事や時間の変化やテンポに追いつかず、仕事を少し休んで回復させたい、という方もいます。
時には、そのような「少し休む」ということをユースターは肯定もして、サポートします。
それは、今まで社会との接点をあまり得られなかった方もいらっしゃり、その方がもっぱら所属する会社のお仕事や、人との関係、さまざまな社会で生きるルールの習得、自立生活などを行うためには、自分を社会に合わせてゆく相当なエネルギーを必要とするからです。そして、走り続けるためには一休みが必要になるからです。
これからの長いランニングを考えると、休憩が必要となる心身の状態もありうるのです。そして休憩の取り方も、できるだけその方が生きてきた人生の中で取ってきた方法を尊重したいとも思うのです。
ユースターが支援する休憩の一つに、「少し休む」状況が長期間になる前に、社会制度を使ってしっかり休むということがあります。
会社を休んでいる間に、周りに「取り残されてしまうわないだろうか」と本人が心配や焦りを感じて、心身の状態をさらに不安定にさせないよう、就労生活を一旦『リセット』して回復に専念する方法をとるというものです。
人や場合によって、その方が良い場合もありますし、そうしない方が良い場合があり、本人とよく相談して決めてゆきます。
そして、「しっかり休む」と決めた時には、ユースターの支援スタッフは、その状況をより前向きな結果になるようサポートをすることになります。
そして、その『リセット』の一つの方法に、傷病休暇を使うことがあるのです。
もちろん傷病手当は、休むために簡単に取得できるものではありません。業務外の理由で仕事に就くことが難しいことが証明され、医師の医学面での基準だけではなく、本人の心身の状況が本人が担当する仕事に耐えうるかという会社(事業主)の判断も合わせて検討されます。もちろんその間はお給料が支払われていないことが条件になるものです。
仕事ができない状態だから回復のための療養に専念するためのお休み。その間の生活を保障するということは、前向きに捉えれば一旦リセットすると本人が今後安定して就労継続に迎えるかもしれない、と支援スタッフは捉えてゆきたいです。
(=つづく)

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