事務という仕事
- 吉岡 俊史
- 5月14日
- 読了時間: 3分
就労移行支援事業所ユースターで就職活動を行う方には「事務職」に関心を持つ方も多くいらっしゃいます。
ところで「事務職」とはどのような仕事がイメージされるのでしょうか?
ーーデスクに座って行う仕事?ーパソコン?ー営業や現場で行う作業ではない仕事?
事務職という職種の範囲はとても広いために、イメージは個人個人で大きく異なっているのではないでしょうか?
「事務職」の意味を複数のサイトや辞書で調べてみますと、机の上で行う仕事、書類の作成、といった広い表現から、経理、総務などを行う「ポジション」としての意味と書かれてあるものまで、解釈はとても広いようです。
つまり辞書でも、私達の頭の中のイメージと同じように「広い」意味合いを持つようです。
それだけに、仕事を探す際に、「事務職希望」「一般事務」という表現にはひかれるものがあるのかもしれません。つまり自分の都合に合わせて解釈できるからです。
「事務職」は仕事を探す側にとっては「自分が求める仕事」に近いかもしれない、という希望も持てますが、同じように雇用者(企業)にとっても、自社に都合の良い理解をして募集しているかもしれないことを、わかっていないといけないのです。
また事務職は、営業、技術職(エンジニア)、専門職などの職種の対角線に位置する仕事で、専門的な仕事を支える裏方(バックヤード)と理解している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、事務職は経理や人事なども表現していて、専門職の一面も含まれるの場合もあるのです。
それゆえに事務職=バックヤードという理解は、必ずしも正確ではないと思われます。むしろフロントヤードで全ての業務を網羅的に把握している統括者的な立場ともいえると思います。
そこで、就職活動で、対人対応することが苦手で、パソコンを使ってできる仕事として「事務職」を選択肢としてゆくと、仕事を始めた後に、何でも柔軟に動いて欲しいと思っている雇用者(企業)と、決まったデスクワークを決まり通りにパターンとして進めるものだと思ってしまった従業員との間で、イメージの違いに悩むことになる可能性があります。
そのギャップを埋める人が就労支援員でもあります。就労支援員は今までの就労者や職場を見た経験から、書面には表れない職場と仕事の雰囲気やイメージを、なるべくリアルに本人に伝えてゆくことが必要になると思っています。
仕事はやってみないとわからないことは多くありますが、特に幅広い仕事をカバーする「事務職」については、事前の調査や企業とのイメージ合わせがポイントになります。
ここで申し上げたいのは「事務職」を軽く考えないように、ということだけではありません。「事務職」を一つの大括りの職種として捉えて、その内容を具体的に見ること、そして企業から求められる点をできるだけ支援スタッフと共に確認してゆくことが就職活動上で大事であることをお伝えできればと思った次第です。

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