一人暮らし~現実
- 吉岡 俊史

- 7月24日
- 読了時間: 4分
学校を卒業した後の就職を考える際に、いままであこがれや遠い先の夢と思っていた『一人暮らし』が現実のものとして、手に届く距離に感じる方も多いのだと思います。
就労移行支援事業所ユースターは、障がいやその他の理由で、支援を受けて社会で働くことを目指して、一定期間通い、いつかは卒業する場所です。卒業の先に何を目指すのかというと、わかりやすいものとしては「就職」となります。
しかし、ユースターの支援スタッフが、利用者の方と共有するテーマは就職だけではありません。就職と同時に、将来の生活について話が及ぶことも多くあります。その一つが「一人暮らしへの計画」です。
といいましても、その段階では、一人暮らしは経験をしたことが無い方がほとんどですので、自分一人で、一人暮らしを始めるまでの計画を自信をもって行うことはとても難しいのです。
支援スタッフに多くのことを聞いてくる方、親などに任せてしまう方、言葉では言うが実現の糸口なく時間が過ぎてしまう方、あきらめて「そのうち・・」に優先度を下げる方・・などさまざです。しかし、どの方であっても胸の内から希望の灯が消えたわけではないのです。
本人はもちろん、家族や支援スタッフとしても、どのように始めたらよいのか?毎回悩みます。それは、本人が持つ、始めるタイミングは、個人個人で全く違うからです。
構想だけでは実現しない、自分だけではわからないことが多すぎる、だからといって、周りの人だけで進めても本人の満足には至らないのが一人暮らしです。
それだけ主体的な行動が求められるライフイベントになりますので、丁寧な気持ちの準備が求められてきますし、具体的な準備の「前」の段階がとても大切かつ一番時間がかかるのだと思います。
準備の「前」の段階では覚悟を自分の中で持つ必要もあります。
期待と同時に不安やデメリットが次々と頭に浮かびますが、それを乗り越える覚悟です。
経済的な問題も不安の一つでしょうし、全てを自分一人で行わなければならないと思ってしまうことも不安の一つです。自分ができるかどうかもわからないことに挑む・・などを考え始めると、とても怖いことに挑む気持ちにもなるようです。
そのような時にはとにかく、具体的な準備事項を本人がこなしているイメージとともにシミュレーションをするしかないのだと思います。
例えば「住む場所を探す必要があります、光熱水の申し込みもしなければなりません、あなたにそれができますか?」という語りかけでは、本人の気持ちが実現から遠のくだけです。
「住む場所は不動産屋に電話をして、お給料の20~30%程度の金額と勤務先の場所を伝えてそこに近い物件を教えてもらいます。その候補を見て選びます」と伝えた方が少しハードルが下がります。光熱水費の申し込みも同様です。
ユースターを利用される方は、就職とはいいながらも、心の中では「自立した生活」⇒「一人暮らし」というイメージを膨らませていて、就職と生活を一対のものと捉える方も多いです。
そして、就職は何とかなる、しかし一人暮らしはもっと難しそう、ということから、自分から一人暮らしの準備を進めにくくなり、時期は置いておこうーーということになりがちです。
その気持ちは十分に共感できますし、賛同もできます。しかし、考えることを全て本人だけにかぶせてしまうのではなく、具体的な取り組み事項を目に見えるようにして、問題を理解して解くように進めると少しづつ自信につながるのではないかと思います。
また、一人暮らしの前に、まず就職をして落ち着いてから・・と周囲から言われる方も多いようです。
しかし、就職をして落ち着く時期はあるようでいて、なかなか来ないのも実際です。就職はそれだけ大きな波や難しさの渦に巻き込まれることですから。
また、仮に落ち着いたとしても、その時に考えるのがキャリアアップであったり、転職であったりすることもあります。一人暮らしは夢でありながらも、そのときになったら、それはそれで躊躇して先送りしたいという難題なのかもしれません。しかし難題を解く意義は大きいです。






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