あなたの方向感覚は?
- 吉岡 俊史

- 7月25日
- 読了時間: 3分
皆さんは方向感覚には自信をお持ちでしょうか?
就職して社会人になり、社会生活を始め、慣れない場所に通勤をしたり、一人暮らしをスタートすると、それまで意識してこなかったことに気づく機会があります。自分の中に隠れていた「あっ初めて」と気づくこと。。その一つが「方角」や「方向」です。
例えば、生まれてからずっと同じ場所に家族等と住んでいて、初めて一人暮らしを始めるとき、まず思い浮かぶこととして、料理・洗濯・掃除といった生活スキルがあります。
しかし、「方向を理解する力」については、意外と見落とされがちです。
そもそも自分の家族に方向感覚がどのくらいあるのか?と真剣に考えることも少ないと思います。だからこそ、家族が一人暮らしを始める際にも、その点をアドバイスすることは少ないのかもしれません。
実は家族と長年住み続けている自分の家や部屋、みんなが、どっちが「北」か知っているとは限らないですよね。
家は動きませんし、不便を感じる場面もなかったために、自宅の“位置”を深く意識する機会がなかったのだと思います。
働く力と方向感覚
就労移行支援事業所ユースターでは、毎月多くの方に「就労アセスメント」を実施しています。
働く上で必要なスキルはどのくらい持っていらっしゃるか、職業適性や社会で生活することなどについて依頼を受けた方について分析をします。
その就労アセスメントの中で、時々本人に尋ねる質問の一つに
「最寄りの駅の名前とそこから住んでいる家までの行き方を2つ以上言えますか?」
があります。
最寄り駅や目印となる建物を答えられる方は多いのですが、複数のルートを説明できる方はそれほど多くありません。
天候や交通障害、突発的な出来事など、さまざまなリスクに囲まれている私達の生活、多少のトラブルがあっても会社には通勤しなければならないときがあります。
そうしたときに備え、リスクを回避しながら通勤を継続できる力も、働くうえで重要なスキルなのです。
そのために、自分のいる場所の位置関係、周りの方向を知ることは決して無視できないことです。
就労移行ユースターでは、働くことだけではなく、就職して「社会で生活して生きる」ための準備もサポートしていますが、先日、自分のいる場所の方向、地域の中での自分のいる場所にどのようなもの(ランドマーク)があって、どの方向にあるか、そこから元の場所に戻るためにはどう動いたらよい?・・という体験をするイベントを開催しました。
まさに、地図と現実のリンクを自分の足で体感するイベントです。
誰かの後ろからついてゆく年代は終わっています。色々なツールを使ってでも、自分で考えてリスクを回避したり、効率よく動けるようになっていただきたいと思っています。
写真がそのイベントの時の一場面です。
皆さん協力して目的を理解していただき、イベントにご協力してくださいました。中には既に就職をしている方も複数参加いただきました。地域や周りのことを改めて知ることを実感されていたようです。
これからもユースターでは、働く力とともに、“生きる力”を育てる支援を続けていきます。





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